パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

救急搬送―3

救急外来室に入ると、既に翌日の午前1時を過ぎていた。

 

先ずは心電計等のプローブを付け、白衣の男性――名札を見ると、Hと言う医師だった――による問診から始まった。 項目は至近の食事内容(刺身や生肉を最近食べたか・・とか、家人も同じ食品を食べたか・・など)、発症時刻、痛みの位置・種類・程度・拡散の有無、排泄の有無、既往歴などである。

 

続いて触診に移った。 心窩部・腹部・下腹部を押して膨満や痛みの有無を確認した。

 

その反対側では、若い女性看護師が

 

   「注射をしますので、チクッとしますよ?」

 

と言っていた。 H医師は、

 

   「今、チクッとしたのが分かりましたが?」

 

と、確認した。 後で分かったのだが、この時採血もしたので翼状針に3方コックが付いているのだろう、H医師に点滴速度を訊いていた。 点滴スタンドには、「生理的食塩水」とのラベルのある小さなパックが下がっていた。 きっと緊急に静注や点滴が必要となった時の保険だろう。

 

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続いて、H医師が超音波検査をやると言う。 大きな画面のモニターの付いた機器一式が、キャスター付きの台に乗り、その傍らからケーブルが出ていて、その先にバーコードリーダーの様なプローブが付いている。 H医師は、

 

   「チョット、冷たいですよ」

 

と断り、青いジェルを腹部に塗った。 そして、プローブの先にも塗り、私の体表に当てながら、動かして行った。 何か重篤な疾患の見落としがあってはならない・・と言う気迫すら感じられる程、丹念である。 心窩部を含んだ腹部全体(膀胱を診るための下腹部も)のみならず、腎臓も診ていたようである。

 

一通り終わると、看護師と共にジェルを丹念に拭いてくれた。 その様子から、何も無かったものと思われた。

 

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続いて、直腸の検査をするらしく、

 

   「肛門から指を入れ(て検査し)ますので、左を向いて下さい」

 

と言い、私の左側に位置した看護師が、私の(上側の)右尻を引いた。 当然、左右の尻が広がり肛門が露出した。 ゴム手の人差し指に(リドカイン?)クリームをタップリ塗ったH医師は、躊躇する事なく差し込んで来た。 

 

まぁ、痛くはないが、気持ち良いものでもない。 肛門周囲に異物感があるだけだ。 これも何も無かったらしく、短時間で終わった。

 

ここで、先輩医師が見に来たのか、丁寧語で私の状態を報告していた。 その内容から、重篤な病気の初期症状ではなさそうだ。 それを聞いて一安心する頃には、痛みは大分寛解していた。 アバウトであるが、ピーク時の10分の4位だろうか?