パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

妻の慟哭―1

 3月中旬の某日、妻が真顔で話し掛けて来た。 いつもの強気は消え、その殊勝な(?)雰囲気にただならぬ空気を感じ、こちらも真剣に聴いた。

 

要するに、トイレで下血があったのだと言う。 それも、ボウルが赤く染まるほど・・ もうこれだけで、「大腸癌」と決めつけ、寝込んでしまった。 これからの自分の運命を思い遣ると、暗くなるのは無理もない。

 

その余りの落胆ぶりに、声も掛けられない。 オマケに、妻の横でミックスナッツを食べているだけで、

 

   「良くこんな時に、食べていられるわねっ!」

 

と、とばっちりが飛んで来る位、ピリピリしている。 仕方が無いので、長男にメールで相談した。 すると、次のようなコメントが返ってきた。

 

   「下血の鑑別だと虚血性腸炎カンピロバクターとかの細菌性腸炎、年齢的に一応大腸癌も挙がってくるけど、意外と痔と間違ってるパターンも多いらしい。色も重要で黒色なら上部消化管出血で、鮮血なら下部消化管出血が疑われる。どちらにせよ大腸内視鏡はしたほうがいい。」

 

ナホルド、そう言う事らしい。 しかし、自覚症状は全く無い・・と言う。 痔でもない・・とも。

 

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では、なぜ、本人が癌だと信じ込んでいるのか? それには、その経緯を説明しなければ、ならない。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/20110813/1313180055 (妻の手術―1)

                :

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/20110916/1316116044 (妻の手術―16)

 

要約すると、

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/20110908/1315426332 (妻の手術―14)

 

にある通り、便潜血陽性・大腸ファイバースコープでポリープ有り・甲状腺癌の発見が、その根拠である。

 

   「どうして私にだけ、癌が2つも・・」

 

と言われたら、返す言葉も見つからない。

 

では逆に私が大腸癌ではないとする根拠を挙げないと、単なる楽観論と揶揄されても仕方ない。 その根拠は、マーカー値である。 即ち、癌特異抗原の濃度が正常域なのだ。

 

甲状腺摘出)術後4年、半年毎の検査は、無駄では無かった・・と思いたい。