パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

MRI室にて

院内と言う名の迷路をグルグルと歩いて、漸くMRI室に着いた。 杖と手摺りを頼りに着いた頃には、ヨレヨレであった。 MRI撮像はほぼ1年振りであるが、場所が変わったらしい。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2014/01/13/062605

 

妻が受付に用紙を出し、中待ち用の椅子に腰掛けていると、注意書きを渡された。 もう、何度も読んでいるし事前の案内にも同じ事が書いてあったので、ナナメに読んだ。

 

読み終わって暫くすると、職員が回収に来た時に着替えの必要性を調べた。 勿論、ベルトの金具もジッパー等の金属類も当然、ボタンすら無いものを着用して来た。 すると、

 

    「じゃあ、着替えの必要はありません。 そのままでどうぞ」

 

と言われた。

 

   ――――――――――――――

 

更に5分程待っていると、白衣の女性がMRI室から出て来て、私の名を呼んだ。 検査技師だろう。 名札には、Iとあった。 そこで私はユックリと起立し、杖を使いながら分厚いステンレスの扉に向かった。 すると女性技師は入り口で、

 

   「杖はこちらに置いて下さい」

 

と言い、入り口外側のコーナーを指した。 きっと杖に金属が仕込まれていると、困るからだろう。 また、付添人も入り口まで・・だそうである。

 

捉まる所のない、僅か2mの距離が、私にはとても遠く感じられた。 そう、脚がすくんでしまい、前に進まないのである。 この状態を「動かない身体は 特大トラックのタイヤを 転がす事が出来ずに引きずるように、自分の二の足の重さを感じるのは非常にさみしい気分で」と表現した女性のPD患者がいた。

 

女性技師は私の左腕を取り、しっかり押さえた。 その時、私の二の腕に何か柔らかいものが触れた。 そう、彼女の乳房である。

 

しかし、私にはその柔らかい塊の感触を楽しむ余裕はない。 最後は倒れ込む様にして、何とかMRIの台に辿り着いた。

 

   ――――――――――――――

 

そこから先は、以前と同じである。 耳栓をし、頭を固定されて、コイルの中に入った。 どうも、新しい機械の様だ。 

 

従来の機械よりコンパクトで、音も小さく感じた。 測定時間も短く、15分位で終わった様だ。

 

全体として予定より1時間程早く終わったので、会計を済ませて帰宅した。 リハビリと併せて8000円以上掛かったが、指定難病として承認されれば、殆んど戻ってくる。