パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ224―オーストラリアの首都は、ウィーン!?!

S士は私にこんな質問をした。

 

   「絵は、描いていますか?」

 

つまり、巧緻作業は継続しているか・・と言う質問なのだろう。 私が

 

   「えぇ、描いてますよ。 最近は(水彩絵の具でなく)クーピーを使ってますけど」

 

と答えると、S士は少し笑顔になり、

 

   「あぁ、クーピーね!」

 

と言った。 S士はクーピーを知っていたのだった。 「塗り絵=クレヨン」だった私との世代の違いを感じてしまった。 

 

    ―――――――――――――――――

 

更にS士は質問を続けた。

 

   「何か、お困りの事は?」

 

   「声が出難いんです」

 

すると、S士は棚から薄いA4のテキストを取り、私に復唱するように指示した。

 

   「オーストラリアの首都ウィーンは、芸術の都とも呼ばれている。 たとえば日本でも有名な『ウィーン少年合唱団』は・・」

 

と言うページを探し当て、発音の練習に入った。 S士が1音節ずつ読み上げるので、私が続いて発音する。

 

   「オーストラリアの」・・「オーストラリアの」、「首都」・・「首都」、「ウィーンは・・ あれ? これって、オーストリアですよね???」

 

と言いつつ、そのページを私に見せた。 すると「オーストラリア」の『ラ』に鉛筆で×が書いてあった。

 

まぁ、発音の練習なので、『ラ』の有無は問われない。 著者は日本語にはない「ラリ」の練習のために、わざわざ「オーストラリア」としたのかも知れない。

 

で、テキストの同ページの上の方ほうには、「水曜日の練習」と書いてあった。 そしてリハビリ終了時にテキストの表紙を見たら、「脳挫傷のための・・」とあった。

 

こうして、本日の作業療法も終了した。 時計を見ると、定刻より5分遅れである。 15分遅れで始まって・・