歯医者へ―2
U医師は挨拶後、無影灯で私の口中を見て、
「ああ、これですね? 赤外線を、当てましょう」
といった。 私はてっきり、リドカイン(局所麻酔剤)を滴下し、ケナログ(デキサメサゾン製剤)でも塗るのかと思った。
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A士がキャスター付きの機械を準備し、U医師がそこから伸びるケーブルの先のプローブ(発光機?)を、私の口中に入れた。 すると機械から、
「ピピピピピピピ」
と、警告にも似た不快な音がした。 恐らく、赤外線が放出されている合図だろう。 そしてU医師の額には、青白い光を放つ小さな光源がある。 高輝度LEDの様だ。
暫く(と言っても、2~3分なのだろう)赤外線を当てて、
「ハイ、これで大丈夫ですよ」
と、U医師が言い、治療が終わった。 別に患部や周辺が温かいわけでもない、不思議な治療だった。
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翌日、食事中に、口内に違和感がある・・ そう、昨日まで口内炎があった場所だ。 昨日までは、水が当たっても痛かったのに。 そしてその翌日には、口内炎があった事さえ、忘れていた。
素晴らしい! こんな事なら、早く当ててもらえば良かった、一週間も我慢せずに・・