カナダフェア(終)
続いて海の幸として、サーモンとムール貝を楽しんだ。
サーモンの寿司も美味しかったが、サーモンのマリネが特にイケた。 オニオンスライスと和えてあり、これがサーモンの生臭さを抑えているのだが、ケーパの酸味がサーモンの甘味を引き立てている。
ムール貝と言えば地中海産、イタリア料理・特にパエリアを想起した方もいるだろう。 事実、友人は美味しいパエリアを貝と共に、皿に盛って来た。 聞けば、カナダで養殖している・・と言う。 パスタも最高だ。 茹でたてでない事は明らかだが、麺は決して歯応えを失っていない。
じゃあ、一体「カナダ料理」とは何なのか? 疑問に思って、友人に訊いてみた。 すると、
「カナダって・・ 移民の国なので、『これがカナダ料理だ』と言うのはないんだ」
と、教えてくれた。
そしてブルーベリージャムやメープルシロップ、デザートの事も書きたいが、帰路についても書かなければならない。
ボーイが終了時刻を告げに来たので食事代(消費税+サービス料込みで、一人1500円)を払おうとしたら、友人が「カナダへの招待」として持ってくれると言う。 本当は、私をリアルカナダに招待したかったらしいが、彼自身ももうチャンスがあるかどうか、分らない。
「もし、カナダに行けるとしたら、あとは散骨だなぁ」
とも言っていた。
と言うシュールな冗談はさて置いて、私は折角の彼の申し出なので受けることとし、礼を述べた。
そして帰路もタクシーで帰ろうとしたら、ホテルに到着した時のドアガールが寄ってきて、訊いた。
「お帰りは、タクシーをご利用ですか?」
「えぇ・・」
「こちらのソファーに掛けてお待ち下さい(ますか)?」
と言い残し、コンシェルジュに何かを伝えに行った。 そう、タクシーの手配をしてくれたのだ。
数分してタクシーが到着すると、彼女が案内してくれた。 ドアボーイも一緒だ。
「段差があるので、お気を付け下さい?」
と言いつつ、彼女は段差の付近に待機している。 そしてドアボーイは、開いたタクシーのドアの助手席側に立って、左腕で乗車口の上部を覆った。 万が一私が乗車時によろめいても、タクシーの入口天井で頭を打たない様な配慮だ!
こうして多くの人に支えられて、カナダフェアや友人との再会を楽しむ事が出来た。
そうそう、米の事を紹介し忘れた。