パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

障害年金―5

落ち着いた様子の私に、パラパラと人が減り、O士が残った。 そう、誰かが呼んで来たのである。 私が事情を説明したら、別に気にも止めない様子だ。 M医師の予診を終えたら指定の席に呼ばれ、計測が始まった。

 

計測を分類すると、四つになるだろうか?

 

       長さの計測

       角度の計測 (例えば、関節の屈曲度)

       筋力の計測

       時間の計測 (例えば、片足立ち)

 

長さは定規かメジャーで測定する。 角度はその定規に付いた分度器で測定するが、「深くお辞儀をして下さい」と、上半身全体の屈曲度を理学療法士が半定量的に評価・判定する方法もあった。

 

筋力の測定法には、二つある。

 

       専用の測定器を用いる

       自分の手で押さえ、抵抗力を診る

 

前者の例は、握力計である。 右39kg、左31kgだった。 後者は理学療法士が、

 

   「私がこう押しますから、私と力比べをしましょう。 せーのっ!」

 

と合図をする。 ほとんどの項目で5段階中5だったが、4が若干あった。

 

   ―――――――――――――――――――

 

続いて作業療法士による計測である。 S嬢と言う小柄な女性を紹介された。 髪はおかっぱでカワイイ感じだ。

 

指の関節の屈曲度を専用のツールで測定して貰っていると、O士が通りかかり、ニヤニヤしながら

 

   「ねぇ、○○さん。 いくらSさんが可愛いからって、(担当を)乗り換えちゃダメですよ?」

 

と、チャチャを入れてきた。

 

   「いや、私は公正で公平な観点から・・」

 

   「ヘェー、公正で公平・・ねぇ・」

 

   「それとも、ヨダレでも出ています?」

 

と言いながら、私が右手で口を拭う真似をすると、O士はテーブル上のタオルを私の口に宛てがう真似をした。 それを受けて私がそのタオルを持ち、わざと

 

   「ジュルッ」

 

と唾液を吸う音をたてると、大ウケとなった。 しかし、S嬢は

 

   「全くぅ・・ Oさんったら・・」

 

と冷静に呟いた。 不評だった様である。