パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

SPECT検査(続)

厚いステンレスの扉を入ると、技師の挨拶を受けた。 Sと名乗る30歳前後の細身の男性である。 この総合病院の職員は挨拶もしっかりしていて、皆、接していて気持ち良い。

 

早速測定室に入り、ストレッチャーの様な台に乗り、頭部の位置合わせをした。 そして、技師は

 

   「目から光が入ると、脳の特定部位が反応してしまうので、目隠しをさせて頂きます」

 

と言いながら、内側にティッシューペーパーを入れたアイマスクを私の顔に装着した。 そして、γカメラを頭部に近づけるので、頭を動かさない様に指示した。 すると今度は女性の声がして、検査薬を静注する・・と言う。 看護師なのだろう。

 

いよいよ、始まる・・ 

 

(放射性医薬品用のシリンジは、ステンレスで保護されているのだろうか? 薬は、何色なのだろう? まさか、青白い光(チェレンコフ光)を放っている訳はないし・・)

 

と思いを巡らせていると、

 

   「チクリとしますよ」

 

と言う女性の声と共に、右腕に痛みを感じた。 どうも翼状針らしい。 と言うのも、粘着性の医療用テープを切る音と、それが腕に貼られる感触が何回かあったからである。

 

注射針の痛みが収まった頃には、もう始まっているらしい。 辺りは静寂につつまれている。 きっと静注をしながら測定しているのだろう。 放射性物質ではあっても、腕に特別何も感じる訳でもない。

 

そのまま数分が経過しただろうか、程なく男性の検査終了の宣言後に、抜針された。 技師にアイマスクを取って貰った時は、既に看護師の姿ははなかった。

 

因みに、若い美人看護師を想像する読者がいるかも知れないが、現実は違うだろう。 場所柄、恐らく「天ぷら」世代(生殖年齢を過ぎている)が配属されるものと思われる。

 

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検査はこれだけではない。 シンチグラムを撮る必要がある。

 

そこで今度は別の台に移り、再び頭部が固定された。 今度は、MRIの様なドーナツ状の機械に頭が入れられた。 きっとこのドーナツの内側で、コリメーターが回転しているのだろう。

 

   「体内から放出される放射線雄分布を画像化する際、検出器の前にコリメーターという器具を置き、体の回りを回転させて断層画面を作成する。」

   出典 : http://koganepin.blog.fc2.com/blog-entry-27.html

 

この検査は、20分程で終わった。 そして、これで今日の検査の全てが、予定通り無事に終了した事になる。

 

検査台を降り、検査室を出て、厚いステンレスの扉を出ると妻がいた。 二人でS技師に礼を言い、脳神経内科の受付に戻った。

 

その後、会計を済ませて帰路についたが、2万円弱もした。 しかし、テクネチウムの難しさを考えると、仕方ない気もしたのであった。