パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ143―バイブを当てて・・


G嬢との40分間は、あっと言う間である。 いよいよ最後のストレッチとなった。

 

G嬢は私を斜面台に案内し、足台の角度を調整した。 これは、ふくらはぎのストレッチだ。 私は立っているだけなので、周囲の様子を見渡せる。 例えば近くの平行棒を使った訓練とか、隣の台でのリハビリの様子とか・・

 

隣の台では、寝そべった中年の男性患者に女性の理学療法士が施術をしていた。 女性が男性に日常の様子等を質問している。 すると男性は、首を振って答えていた。

 

段々質問が複雑になり、「Yes or No」では答えられなくなったらしい。 すると男性は、首に掛けた紐を手繰って、灰色の円筒を出してきた。 その円筒は、直径4cm、長さ20cm程である。

 

丁度単1電池が2個入る懐中電灯のサイズだ。 しかし、先に光学部品はなく、丸くなっている。 男性はその円筒をチラ見して、スイッチを入れた。 当然だが、別に光る訳でも無い。

 

すると男性は、その円筒を顎に当てた。 電気カミソリの様に・・ すると、振動音が聞こえて来た。 でも、半球状の先端にメッシュはなく、ツルリとしている???

 

顎にその円筒を当てた男性が、口を開いた。 と同時に、合成音の様な「声」が聞こえてきたのである。 丁度、扇風機に向かって、抑揚を抑えた話し方をする時の声の様だった。

 

即ち、その円筒は、発声補助用のバイブレーターだったのである。 私には男性が答えた内容は聞き取れなかったが、女性には分かったらしい。 うなずいて、会話を続けていたから。

 

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自分にも構音障害があり、声が出づらかったり、聞き返されたりする。 でも、その男性患者には失礼な表現になるかも知れないが、世の中、上には上があるものである。 

 

構音障害を悔やむより、今でも僅かな努力で会話は通じる事を喜ぼう。 そう思えたら、少し元気が出て来た。

 

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ハンディタイプのバイブレーターと聞くと、あらぬ事を想像する人は・・ イザの読者にはいないだろう。 

 

   http://www.ai-plaza.com/vib-2.jpg (バイブの画像、アクセス注意!)

 

   http://www.big-tail.com/product/img/k_mss1.jpg (女性が自らの「体」にバイブを当てて、癒している)