リハビリ139―調子悪い・・
今日は調子悪い一日となりそうだ。 それは、朝起きた時、トイレに杖を床に着けずに行けなかったからだ。 半分フラフラしながら、長い一日を懸念した。
総合病院に妻の運転で到着し、それでも何とかリハビリ室に到着した。 例えば、健康な人にとって駐車場のエレベーターによる昇降は、何でも無い事だろう。 でもパーキンソン症候群を患っていると、エレベーターへの出入り口の、その1mがとてつもなく長距離に思えるのだった。 隘路の通過が苦手だから。
事実、M医師による予診のために診察室に入る時、そして患者用のパイプ椅子に座る時、足はすくみ、全身が硬直してしまった印象だ。 予診が終わり、待合い室の椅子に辿り着くまでの1.5mが100m先に思えた。
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定刻少し前に現れたO士は、挨拶後、
「どうですか、調子は?」
と、訊いてきた。 私は、正直に、
「実は・・ 余り、調子良くないんですぅ」
と答えると、O士は、
「いつも、そう言いますよね!」
と、吹き出した。 私はそれを見て、それまでの深刻な顔が自然と綻んだ。 こうしてリハビリが開始となった。
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O士の関心は、専らセカンドオピニオンである。
「あれ? セカンドオピニオンの日って、決まったんでしたっけ?」
「いえ、まだなんです・・ S先生が書いてくれた紹介状の宛先がセカンドオピニオンじゃなく外来になっているとか、紹介状の宛先が(外来を担当していない)名誉教授になっているとか・・」
「そんなの、どうでもイイじゃん、ねぇ? 大きな組織になると、そんな形式ばった事ばかり言って・・ この病院もそうだけど・・」
「・・・」
「でも、私は先生(=担当医師)はどちらでも(=総合病院でも大学病院でも)イイんです。 私は(理学療法士として)○○さんのリハビリをして・・」
と言う趣旨の事を言っていた。