セカンドオピニオン―準備1
「○○さんは、いらっしゃいますか?」
「いませんが・・」
「・・ にゅ、入院でもされたんですか?」
「いえ、仕事にでかけました。」
「ああ、良かった!」
と言うシュールなやり取りの後に、私の携帯に電話があった。 本人確認をした後、受付の女性は、こんな事を言った。
「S先生の書類の宛先が、外来になっているんですが・・ セカンドオピニオンでなくて。」
「そのままでは、受けられないんですか?」
「いえ、(内部で)相談してみます。 それに、宛先が○○先生になっているんですが、その先生は神経内科にはいないんです。」
「名誉教授で、いるはずですが?」
「ええ・・ でも、外来診療はしていないんですが・・ ○○先生に診て貰いたいんですよね。」
「○○先生はS先生が宛てただけで、私は特に希望の先生はいないんですが・・」
ここで一旦電話を切り、15分程してまた架電があった。 要点は、次の通りだった。
・ 書類に不備があり、S先生に書き直して貰う事になった。
・ S先生の次の診察日に書き直して貰い、すぐにFaxで送信して貰う。
・ 原本は、S先生宛に郵送する。
・ すると、(セカンドオピニオンを受けるのが)「○日以降になってしまうが、それで良いか?」
と言う事だった。 しかし、そこまで致命的な(例えば、患者氏名が違うとか)間違いをS医師がするとも思えない。 仮に宛て先違い程度の事だったら、セカンドオピニオンを受けるのに、支障はないはずだ。
しかし、余り突っ込むと持参した長男の立場もあるので、グッと呑み込んで、
「それで結構です、宜しくお願いします」
と言う他は無かった。