パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

クロマトパックC-R4A(下ネタ注意)


いささか古い機種(C-R4A)の古い話しで恐縮である。 (現行機種は、C-R8A

 

ラボでは成分定量の目的で、ガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーと言う機器を使う。 成分の含有量はクロマトグラフの面積に比例するので、ペンレコーダーで描かれた図形の面積を求める必要がある。

 

では、どぅやって図形の面積を求めるのか? 先ずは昔話をしよう。

 

1つには、1mmマス目のトレーシングペーパーに図形を写し取り、図形内のマス目を数える方法がある。 しかし現実、鋭いピーク(シャープな図形)では、困難である。

 

もう1つには、写し取った図形を切り抜き、その重さを化学天秤で量るのである。 (もちろん、重量分布が均一な紙に。) 所がこれも職人芸であり、ラボの女性にルーチンとしてやらせる事は難しい。 なぜなら、精度が技術に高く依存する(=同時再現性が低い)からである。

 

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ある時、出入りの分析機械屋からインテグレーターの紹介を受けた。 インテグレーターとは積分機の事で、図形から面積を求める(=求積)デバイスであり、その一つが「クロマトパックC-R4A」である。 将にこれこそ、欲しかったものだ。

 

それは、素晴らしいデバイスだった。 当時欲しかった機能はほぼ全て揃っていたのはもちろん、内蔵のBASICでプログラム分析まで出来たのだった。

 

求積に苦労していた私には、眩しい存在だ。 何より便利なのは、図形(=クロマトグラム)を記憶しておけば、分析条件を変えて、図形を呼び出す事により、何度でも仮想分析できる事だ。 この機能により、分析条件を容易に決定できるばかりでなく、分析値がおかしい場合は遡及して「再分析」が可能なのだ。

 

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しかし、いくらこの「再分析」機能がスグレモノであっても、記憶しない事には始まらない。 そこで私は、分析時に必ず図形を記憶させる様に、ラボの女性に教えて、指示した。 すると彼女は、押すべきコマンドボタン名を声に出して確認しながら押して行った。

 

例えば記憶。 これには【A.SAVE】ボタンを押して、【Enter】ボタンを押す。 これを彼女は、

 

「エーセーブ、エンター」

 

と、確認のためにハッキリした口調で言いながら、それぞれのボタンを押して行く。

 

問題は、再分析である。 【ANAL】+【Enter】を

 

   「アナル、エンター」

 

と、言うのである。 もちろん、「ANAL」とは「Analysis」(分析)の略であるが、誤解を受けそうである。 彼女に注意したいのではあるが、その理由を問われると、逆に返事に窮してしまう。 

 

そのため、未だにそのままだ。 

 

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定量方法(Method)を42(修正面積百分率法)に変更して、2番のメモリーからクロマトグラムを呼び出す時は、

 

   【METHOD】+【4】+【2】+【Enter】+【ANAL】+【2】+【Enter

 

と押して行くのであるが、どうしても

 

   「Method for two enter , anal to enter

 

と聞こえしまうのだった。