リハビリ129―廃用性「萎」縮
さて、月初のリハビリでは、恒例の「リハビリテーション総合計画書」の作成と患者のサインが必要だ。
例によって、担当のO士が訊いた。
「○○さんの今月の目標は、何ですか?」
まぁ、毎回同じなのも芸がないので、私は特定保健指導の時の目標(保健師のウケウリ)をそのまま、言った。
「廃用性萎縮の予防です。」
するとO士は、そのまま記入し始めた。 が、「廃用性」を書いた所でペンが止まった。
「イシュクのイって、どんな字でしたっけ?」
言った本人も答えられないでいると、O士は
「後で、パソコンで調べておきます」
と言って、気まずそうに切り上げた。
まぁ、一般人が「萎縮」を漢字で書けなくても仕方ないが、専門職、それも理学療法士が書けないのは格好わるいと思ったのだろう。 でも、普段から書いていないと、字って出てこないものである。
私もこの所、病気による書字困難があり、文字を書く機会が減り、漢字が思い浮かばない事がしばしばあるので、その事を揶揄する事はしなかった。
ま、軽いノリで答えれば、
「イシュクの漢字ですかぁ? 簡単ですよ! イシュクのイにイシュクのシュクですよ」
と言う冗談もあった。