パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診察201305―1


リハビリ後、無事に脳神経内科の待合室に着いた。 椅子に座ると、正面に掲示が見える。 そこには新担当のS医師の名と、14:30の文字があった。 この「14:30」は現在診察中の患者の予約時刻だ。 つまり、1時間遅れである。

 

前任のI医師も女性だが、後任のS医師も女性である。 同じ医科大学からの派遣(非常勤)であり、ギラン・バレー症候群に関する論文の著者の一人であった。

 

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待つ事40分、漸く診察に呼ばれた。 診察室に入ると、その病院の診察券を机に置いた。 患者間違えを防止するための、この病院でのルールである。

 

モニターを見ながら、診察券をチラ見したS医師が、

 

   「○○さんですよね?」

 

と確認したので、妻と私はS医師に挨拶の言葉を返した。

 

私達の予想とは、全く異なる第一印象だった。 ここで、個人の容姿やその印象を議論する事に意味は無い。 重要なのは、脳神経内科医師としての技量である。 そんな事は言われなくても、理解している。 でも、余りにもギャップが大きいのである。 I医師の印象が強かったためだろう。

 

例えば、靴。 I医師は真っ赤なパンプスを履いていた事があったが、それが濃紺のタイトなパンツと良く合っていた。 一方S医師はジーンズにスニーカーである。 白衣の着方も「刑事コロンボ」風だ。

 

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さて、私は前回診察日以降のこの7週間の様子を書いたメモを渡した。 するとS医師は一瞬、キョトンとした。 その様子を察した妻が、

 

   「前任の先生の時も書いていて、(先生が)替わっても続ける様に言われていたんです」

 

と説明した。 S医師はそれを聞き、食い入る様に見て、

 

   「どうですか、膝は大丈夫だったですか?」

 

と、質問した。 それは、メモに次の様に書いてあったからだろう。