パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

事件―車椅子のお世話に・・

途中休憩を挟みながら、横歩きや後退歩の練習をして、リハビリを終えた。 そして次回の予約を確認し、O士に礼をのべて、妻と私はリハビリ室を後にした。

 

所が、足がすくんで上手く歩けないのである。 後で分かったのであるが、どうやら原因は疲労らしい。 脳内のカテコールアミン(神経伝達物質)が、枯渇した様に感じる。

 

そのまま脳神経内科に向かったが、なかなか進めない。 仕方が無いので、妻に先に脳神経内科の受付に行ってもらい、私は後からユックリと行った。

 

リハビリ室のある本館と脳神経内科のある別館とは廊下で繋がっているが、途中、クランクになっていて、見通しが悪い。 手摺はあるが、見通しのつかないコーナーが苦手なので、一回、通路を渡らなければならない。

 

人の往来が途切れた頃を見計らって、廊下を渡った。 しかし、足がすくんでいるので、突進してしまい、柱に捕まってとまった。 まぁ、良くある事だ。

 

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所が、その様子を職員が見ていた。 白衣を着た男性と、女性の看護師である。 男性が寄って来て、私を支える様に左腕を持って、

 

   「大丈夫ですか?」

 

と訊いた。 勿論いつもの事なので、

 

   「大丈夫です。 それに、もうすぐ連れが戻ってきます」

 

とは言ったが、私の腕を持ったままだ。 どうやら連れの看護師に車椅子を手配させた様だった。

 

   「この先は坂になっていますし、転倒でもしたら大変ですから・・ 車椅子が来るまで待って下さい」

 

と、男性は言った。 それまでの時間が長く感じられたが、途中、

 

   「お名前は? フルネームは? 今日は、脳外科の受診が終わった所ですか?」

 

等と訊いてきた。 きっと、意識レベルや認識度を知るためであろう。 車椅子を持参した看護師と妻がほぼ同時に現われ、私は車椅子に座って妻に押して貰って、脳神経内科の待合室に向かった。 勿論、待合室に着いたら、車椅子は元の位置に返して来て貰った。

 

少し座っていたら回復してきたので、あれはリハビリの疲労によるものだったのかも知れない。 それにしても、責任感の強い男性だ。 胸にはリハビリテーション科の係長の名があった。