パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ97―ストレッチポール


その後、下肢のマッサージをし、どこからか杖を持ってきたO士は、

 

   「杖を使う練習じゃないんです。 こう持って・・」

 

と、使い方の説明をした。 先ずは体の正面で杖を水平にし、肩幅に持つ。 それを上下するのであるが、前に屈んだ時は思いっきり猫背になり、持ち上げた時は鉄棒にぶら下がっている様に思いっきり伸ばす。 事実、真上に挙げたら、O士は杖を引き上げた。 ここまで目一杯伸ばすのである。

 

この動作を数回繰り返した後、O士は部屋の隅から、ストレッチポールとカマボコを持ってきた。 カマボコとは、長さ40cm、幅15cm程の断面が半円の円柱である。 竹踏みの竹を想像してもらえば良い。

 

   (ストレッチポールなら、使った事があるゾ)

 

   http://img.pics.livedoor.com/011/b/2/b20c7a859ad185a6bbb3-1024.jpg

 

と思ったが、使い方が違った。 

 

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私を台に腰掛けさせて、O士はポールを立てて手渡した。 そして伸ばした腕に持たせ、そのままポールを前方に倒しながら、上半身を前に倒させた。 なるほど、これには2つの効果がある。

 

一つは背筋を伸ばす事である。 ポールに置いた両腕を前方に伸ばしたまま前傾すれば、当然、背筋が伸びる。 これを目一杯倒すのである。 そして上体を戻す時は、猫背になるまで後退するのである。

 

もう一つは、スクワットである。 つまり、上体を倒した時に鼠径部を折り曲げる効果をもたらす。 この時の姿勢は、今から洋式トイレの便座に腰掛けようと、お尻を突き出している。

 

そして、同じ動作を、尻の下にカマボコを敷いて行った。 確かに負荷は増すが、「どう」と言う程の事もない。

 

そして、この運動を繰り返して、室内歩行をし、効果を確認するのである。

 

   「どうですか、先程のゴムバンドの時と比べて、歩きやすさは?」

 

O士が訊くので、正直に

 

   「ゴムバンドの時です」

 

と答えたら、チョッピリと落胆されてしまった。