パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ90―最後のリハビリ


続いて、バランスボールに座って飛び跳ねたり、肋木に掴まりながら足を運ぶ練習をした。 こうしている間に、終了時刻はどんどん近づいてくる。

 

   (そうだ、今日がY士が担当する最後の日なので、訊いて置かなくっちゃ!)

 

と思い、質問をした。

 

   「前回、上半身のストレッチの訓練をしましたが、自分ではどんな練習が効果的なのでしょう?」

 

すると、Y士は正面の棚から硬い枕を出してきて、台に腰掛けている私の脇腹に置いた。 その状態で体側を曲げると、確かに上体は腰から曲がらずに脇腹でまがる。

 

更に、上半身の回転運動として、伸ばした両腕を正面で組み、左右に振って肩を回転させる練習もやってみせた。 すると、

 

   「腕の回転の反動を使うんじゃないんです。 (上半身が)回転する結果として、(腕が)付いて来るんです」

 

と教えてくれた。

 

その他、病気への立ち向かい方など、色々とアドバイスをしてくれた。 時計は定刻の1240を遥かに過ぎていたが、この後の予約が無いので、自分の休憩時間を割いてくれているんだろう。 そのお礼に、帰り際に手品を披露した。

 

?       ストローに紐を通し、二つに折る。

?       折った所を、ハサミで切る。

?       所が、紐に息を掛けると・・  あら不思議、紐は切れずに一本のまま!

 

で、切ったストローをわざとY士の足元に落とし、彼が拾っている間に、予め用意した紐の切れ端を出した。

 

Y士はそのストローと紐の切れ端を見て不思議がった。

 

   「確かに切れているのに・・  悔しいなぁ・・」

 

と呟いた。 今回も、大成功となった。 そして、次回から担当がO士になる事を教えてくれた。 珍しい苗字なので、帰宅後にインターネットで調べたら、東北地方に多いらしい。 それなのに、日本全国で800人位しかいないそうだ。

 

妻と私は丁重に礼を述べ、こうしてY士が担当してくれた10ヶ月間のリハビリが終わった。