診察201302―4
「そうねぇ、(食事を)薄味にするとか・・」
と、I医師が言うと、我が意を得たり・・とばかり、妻が口を挟んだ。
「センセ、主人の味付けが、この頃濃いんです。」
単に濃い味と言っても、塩分濃度が高いわけではない。 私だって、それくらいは心得ている。 地方によっては、塩分が高い味を「しょっぱい」と言う語彙で「辛い」と区別している。
「塩をひとつまみ減らすとか、醤油をひとまわし減らすとか、(醤油の代わりに)ポン酢を使うとか、水分を沢山摂るとか・・」
「センセ、主人は水分をあまり摂らないんです。」
「水分は沢山摂った方がいいわよ。」
「水分は、コーヒーで摂ってもイイんですか?」
「でも、コーヒーを2リットル・・なんて、飲めないでしょう?」
漸く私の発言の機会が訪れた。
「ヘマトクリット(値)が高いのは、そのせいなんですか?」
「ええ、それに水分を沢山摂れば、体重も減るし・・」
ナトリウムイオンの排出との関連だろう。 よし、今日から水分の摂取量を増そう!
――――――――――――――――――――――――
「じゃぁ、お薬は今のまま、続けましょう」
とI医師は処方に変更の無い旨を、伝えた。
「センセ、お薬は増えないんですか?」
と妻が訊いた。
「症状も安定している様だし・・ これで何か(今までにない)症状がでれば、(維持量である)1日6カプセルまでは増やそうと思うの・・」
と、明かしてくれた。