パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ73―クリスマスプレゼント


Y士のクリスマスにまつわる思い出話は、続いた。

 

あるクリスマスの晩、例年の様に靴下を枕元に置いて寝た。 翌朝目覚めて靴下を見ると、空っぽである。 落胆の内に起床すると・・

 

な、何と、(学習)机の上に、タワーがある!?! もしや・・と思って見ると、欲しかったフィギヤセットだった。  ・・と言いながら、Y士は両手でタワーを象(かたど)った。 それは、高さ70cm・底面の直径30cm程の、円錐に見えた。 相当立派なものだろう。

 

それが余程嬉しかったに違いない、その時を回顧するY士の顔が綻(ほころ)んでいた。

 

ある時押し入れを片付けていたら、そのフィギヤセットが奥から出て来たが、止むなく捨てた・・と言う。 それが二十歳の時だった。 きっと子供から大人に、学生から社会人に、自らも『ヘンシーン』した区切りだったのだろう。

 

話はこれだけだが、Y士が両親から愛されて育った様子を窺えた。

 

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クリスマスにまつわる話をしながらストレッチを終えると、筋トレに入った。 私が毎晩欠かさず筋トレを行っている事を紹介し、実際に腹筋の課題を難なくこなすと、

 

   「うん、この辺の筋肉は付いていますねぇ」

 

と、私の腹部を示した。 次は、膝立ちで尻を前に出す訓練である。 これは、前二回の復習であるが、今回は上半身の回転とそれに伴う腕の振り方を教えて貰った。

 

私の場合は腕の振りが足りないらしい。 特に左腕が。

 

   「腕を振って歩いて下さい・・と言うと、こうやって振る人がいるんです」

 

と言いながら、Y士は大きく前に腕を振って見せた。

 

   「でもこれは、行進の時の振り方なんです。 (歩く時は)腕は後ろに振るんです。」

 

ナホルド・・ 確かに走る時は、腕を後ろに強く振る。 自分でやって見て、それが分かったので、

 

   「そうすれば、反動も使えますしね!」

 

と、コメントを添えた。