忘年会
12月は、忘年会のシーズンである。 会社では12月21日の午後6時に、駅前の居酒屋を予約してある・・と言う。
勿論、参加する旨を伝えた。 問題は、アルコールと帰路である。 アルコールは自重すれば良いし、帰りは妻に車での迎えをお願いすれば良い。
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定刻より少し遅れたが、全員が揃ったので社長の挨拶の後、先ずは乾杯をした。 社長も心得ているらしく、短い挨拶を平易に語った。
本日のメインは鍋である。 テーブルの中央に鎮座し、周囲を圧倒する大きさだ。 重い蓋をそっと開けてみると、水炊きだ。 早速、土鍋の下のカセットコンロに着火した。
話は変わるが、いつも会社で会っているパートの女性も、作業着から私服に着替え、チャンとヘアメイクと化粧をすると、可愛いものだ! あ、下心で言っている訳ではない・・
アルコール類は、2時間の飲み放題だと言う。 色々な酒類を試してみたいとは思ったが、ここは自重して、アルコール濃度の低い生ビールとした。
突き出しが運ばれ、鍋も沸騰してきて、いよいよ宴も盛り上がってきた。 途中、刺身や天ぷらなどを堪能した。 いずれも人数分あるが、生ものが苦手な人もいて、割り当て以上が巡ってきた。 勿論、水炊きも美味しかった。 但し、私は生ビール(中)2杯に抑えたが、その理由は、酩酊しては皆に迷惑を掛けてしまうからだ。
途中、私にも挨拶のお鉢が回って来たが、構音障害もあるので手品をして見せた。 結構、ウケた。 また、社長の用意したビンゴで、商品もゲットした。
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開宴から2時間が経過し、私の携帯電話にメールが入った。 見ると、迎えの時刻を照会する、妻からのものだった。 宴たけなわではあったが、社長に断って、お先に失礼する事とした。 (社長は、私の体調不良を知っている。)
私の病状を心配した娘が、宴会室の扉を開け、顔を覗かせたので、皆にも迎えと分かった。 私はジャケットを羽織って、まだ鍋の中の雑炊に心残りを感じながらも、中座させてもらった。
心配された足取りであるが、2時間で生中2杯だ。 酔いは全く感じられず、店の外に駐車して私を待っていた妻も、私の歩行を見て安堵した様だった。
楽しい忘年会だった。 これでまた、来年も頑張れそうだ。