パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

MRI検査(2)


所が、この患者に付き添っている娘が、絶望的な発言をしたのであった。

 

   「あのぉ・・ (患者が)トイレに行って来ていいですか?」

 

(オイオイ、検査の順番が来るまでに20分はあったぜ! その間に、トイレを済ませておけよー)

 

と、思ってしまった。 それでも患者がトイレから戻り何とか検査が始まったら、今度は待合室にいる娘が受付の技師に、

 

   「あのぉ・・ (患者は)入れ歯をしたままでした」

 

と言うのである。 またしても、

 

(事前に渡された説明書きを良く読めよー)

 

と思ってしまった。 検査開始時刻が予約時刻より遅れるのは、こんな理由なのだろう。

 

   ――――――――――――――――――――

 

直前の順番の患者がMRI室に入って10分程したら、技師が検査着とロッカーの鍵を持ってきた。 この総合病院でのMRI撮像は三回目なので、要領は分かっている。 そこで、直ぐ脇の更衣室で着替えた。 下着と検査着だけとなると、待合室は少し寒い位だ。 直前になってトイレに行きたくなる理由が分かった。

 

そして、漸く自分の順番がやって来た。 案内に従って検査室内に入り、白い台に乗り、耳栓をして貰った。 いよいよ・・である。 頭を固定後、緊急呼び出しボタンを渡され、白いトンネルに入って行った。 それはまるで、現世(うつしよ)から別世界への入り口みたいだ。

 

検査の様子は既述であるので割愛するが、ここでの注意点は、兎に角動かない事である。 前回は検査途中で不覚にも寝てしまった。 そこで今回は注意はしていたものの、どうやら浅く寝入ってしまった様だ。 20分間の記憶の一部がないのである。

 

寝入って頭部が動いてしまうと、前回の様な撮り直しになって余分な時間が掛かり、以降の患者に迷惑を掛けてしまう。 しかし、幸いにも再検査には至らなかった。

 

   ―――――――――――――――――――――――

 

あの道路工事の掘削の様な騒音の中でも、眠れるのが不思議に思われる読者もいるだろう。 でも、あの音も慣れてくると、映画「未知との遭遇」の音楽に聞こえてくるから、不思議だ。 MRI装置を異界への入り口と感じるのは、こんな所にも理由があるのかも知れない。

 

検査開始は少し遅れたものの無事に終了し、更衣と会計をすませて漸く帰路についた。