パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ42―踵上げの宿題


この様に、ある作業(訓練)の目的が後日つながった例を、もう一つ挙げよう。 

 

それは、踵上げである。

 

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続いて台から降り、靴を履いて歩行訓練を行った。 これまで習った点に留意して歩いた積もりであるが、Y士は私にこんな指示をした。

 

   「もっと後ろ足の蹴り出しを、強くして下さい。」

 

そう言われれば、歩幅が小さくなっている・・ そこで意識をして、後ろに残った足での蹴りを強くして見た。 そうしたら、より自然にあるける様になった(印象がした)。

 

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私が歩く様子を見て、踵を使う訓練の必要性を感じたのであろう。 Y士は私に、

 

「あの、木が横に並んでいる所に行って下さい」

 

と言い、顔を振り向けた。 木が横?

 

「肋木(ろくぼく)の事ですか?」

 

と確認すると、そうだと言う。 ここで木に摑まって、踵を上げる練習をするのである。

 

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私は両手を木にかけて、Y士の指示通り踵を上げた。 それでもY士が

 

   「もっと・・ もっと(上げて下さい)!」

 

と言うので、つい腕に力が入ってしまったので、注意を受けた。 それでも、

 

   「もっと、もっと高く」

 

と言うので、これ以上は爪先立ちになろかと言うまで、上げた。 そして、

 

   「これを宿題にしましょう」

 

と言った。

 

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賢明な諸姉諸兄は、お気づきだろう。 この踵上げ運動は、リハビリの初期に行っていた。 ただ私は当時、その運動の意味が分からず、それっきりになってしまったのである。 でもY士はその頃から私の歩く様子を観察して、その運動の必要性を知っていたのである。

 

本日の教訓。 「Y士の指示とナスビの花にゃ、千に一つの無駄もない」