パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ41―ボール(中型)


Y士はフワフワのボールを持ってきた。 これまではバレーボール程度の小型のものと、バランスボール用の大型のものを使ったことがあるが、これは直径50cm程の中型である。

 

Y士は私に台の上で仰向けに寝る様に促し、私の両下肢を持ち上げて、その下にボールを差し込んだ。 つまり、ふくらはぎがボールで持ち上げられた格好だ。 この状態で、二つの訓練を行った。

 

一つは、そのまま、下肢を胸に引き寄せる運動だ。 ボールがあるので、引き寄せ易い。 両膝が顔に近づく様に、何度か行った。

 

もう一つは、下半身を捻る運動だ。 仰向けのまま体を伸ばした私の踵の下に、Y士はボールを置いた。 そして、ボールを足で左右に転がすと、自然と体が捻れる。 これも、ストレッチの一種である。

 

そんな動作を繰り返す間、Y士は傍らのM研修生に話しかけた。

 

   「発表って、いつだっけ?」

 

   「来週の○日です。」

 

聞くともなしに耳に入って来た会話であるが、どうやら研修結果を、皆の前でプレゼンするらしい。 それもよい勉強である。

 

それにしても、色々な種類やサイズのボールがあり、色々な使い方があるものである。 半ば、感心した。

 

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続いてY士はボールを取り除き、仰向けのままの私に、脚を縮めさせた。 動作は上記の前半と同じであるが、今度はY士が自らの腕で私の膝を押さえて、負荷となった。 そしてその負荷を、段々と強めていった。

 

実はこの作業は、その後の検診でも使われた。 つまり、受診して初めて、この作業の意味がわかったのであった。

 

この様に、ある作業(訓練)の目的が後日つながった例を、もう一つ挙げよう。