予備検査
製品検査の目的は、主要成分が規格通り配合されている事を確認する事である。 そしてその成分は227nm(ナノメーター)付近に、紫外部吸収の極大を持っている事が知られている。 つまり紫外分光光度計で、定量すれば良い。 (=UV測定)
予算の関係もあり、シングルビームの機種を選定した。 既に主要な使用法(定量計算、吸収波形スキャン、経時変化測定・・)は組み込まれており、対話型メニューに沿って進む様になっているので、マニュアルの必要すら、ない。
私の目的は特定成分の定量なので、標準品で検量線を引く。 続いて未知濃度の検体の極大吸収における吸光度(Abs)から目的成分の濃度を求めるのである。
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では、検量線を引いてみよう。
成分の標準濃度は0.9%、規格範囲が0.85%〜0.95%なので、その3点の濃度の標準液を調製した。 そのために、標準品をそれぞれ約0.85、0.90.0.95gを精秤し、メスフラスコで100mlとした。 これが標準液である。
ただこのままではUV測定には濃すぎるので、これを精製水で625倍希釈(10→250、10→250)して検液とする。 それぞれを石英セルに入れて、吸光度を求めた。 ブランクは、精製水である。
標準液濃度 |
0.851 |
0.901 |
0.952 |
吸光度 |
0.730 |
0.778 |
0.823 |
この3点はほぼ直線状にあり、精度の高い検量線が引けた。
原点を含む4点の相関係数 = 0.999978
であった。 ほぼ1に近い事ので、秤量や希釈の精度が高かったことが分かった。 チョッピリ自信を持てた。