リハビリ33―障害物と梯子
カラーコーンを片付けたY氏は、今度は踏み台2個と杖3本を持って来た。
そして、杖・台・杖・杖・台と、1m間隔に並べた。 台の高さは7cm程しかないが、片足で乗って安定が悪い時は、台の上で一旦両足を揃えると良いらしい。 Y士が実演してくれた。
Y士の観察下、早速端から歩いてみた。 杖を跨いで、台は片足で踏み越え、難なく往復できた。 これをY士は高く評価した。
「上手じゃないですか! 特に3本目の杖をまたぐ時、歩幅を増して調節し・・」
私は杖の間隔や自分の歩幅を意識した積りはなかったのであるが、流石に観察が細かい。
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本日のプログラムの最後は、床に描いてある梯子を用いた歩行訓練である。
私は梯子なので、横に渡してある部分(=横線)の上を歩いてゆくのかと思ったら、違った。 梯子の升目に靴を置く、即ち横線を踏まない様に歩くのだった。 間隔が狭いので、最初は戸惑ったが、慣れて来ると簡単にできる様になって来た。
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Y士は私が腰につけている万歩計が気になった様だ。 それは、息子のポケモン万歩計だ。
普段は節電のために液晶画面は消えているが、ボタンを押すとキャラクターと共に、その日の歩数が表示される。 ためしにY士の前で押したら、ニョロモが出現した。
「懐かしいなぁ・・ 小学生の頃、よくやりましたよ。 ポケモン赤・緑・・」
「金・銀は?」
「そんなのもありましたねぇ・・」
「その後、ルビーとか、サファイヤとかも出たんですよ。」
「あの頃のゲームボーイは、まだ(画面は)白黒で・・ 今思えば・・」
と、しばし盛り上がった。