リハビリ18―パーキンソニズム
「いわゆるパーキンソン病とも違う様ですねぇ・・ 姿勢反射障害もないし・・」
時々バランスを失い転びそうになるのは、自分では姿勢反射障害のためだと思っていた。 否、思い込んでいた。
「姿勢反射障害・・ ないんですか?」
「ええ、ありません! それに仮面様顔貌(かめんようがんぼう)もありませんし・・」
「震顫(振戦)もありませんし、ねっ!」
と言いつつ、私は手を(わざと)ブルブルと小刻みに震わせて見せた。
「いわゆるパーキンソニズムなんでしょうけど・・」
と言うY士は、パキンソン病関連疾患について勉強してきた印象である。
「○○さんは、いいもの(体躯)を持っていますし、筋力もあるし・・」
とホメられてしまった。 それは言外に
(だから、意欲を持ってリハビリに励めば、成果(症状の緩和)はきっと達せられますよ)
と、言わんばかりであった。 この言葉に不安は減り、少し明るい気持ちを持てた。 更に
「だから大丈夫ですよ」
と言われては、もう自信を持つしかない。 我ながら、単純である。