転倒事故25―バッテリーが上がる・・
そこでキーを持ち、運転席に乗り込んだ。 この席に座るのも、久々である。 そこでアクセルペダルを何度か踏み込み、キーを差し込んで右に廻してみた。 アクセルをパタパタと踏み込む事によりガソリンがエンジンに送られるので、かかり易くなるのである。 この操作を、ポンピングと呼ぶ。
エンジンは、
「ギーッ」
と言う不気味な音を立てたのみであった。 更にポンピングをしてセルを廻してみたが、結果は同じであった。 案の定、バッテリーが上がってしまったのだ… これ以上続けると、過放電してしまう。
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ブースターケーブルはあるが、折角なのでバッテリー充電器を試す事とした。 この充電器は、乗用芝刈り機のために買ったものだ。
そこでキャプタイヤ(100V用の延長コードリール)と充電器を物置から出してきて、繋ごうとした。 所が、片手では車のボンネットを開けられない・・
そこで右手でボンネットを持ち上げ、頭で支えている間に杖を挿して、仮止めをした。 そんなこんなのやっとの思いで開けられた。
極性に注意して、バッテリーの端子に充電ケーブルの先のクリップを接続、数時間充電してみた。 最初はランプの点滅が「中」だったが、やがて「高」になったので充電器のケーブルを外し、セルを廻した時・・
元気なエンジン音を久しぶりに聞いた。 それを聞いて、自分も少し元気になった気がした。