パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診察201202-6

そして話題は、再び転倒による怪我に戻った。 今後の推移が気になったらしい。 私は

 

   「一応今週(整形外科の)診察があり、もし結果が良ければその2週間後に三角巾が取れて、リハビリが始まるそうなんです」

 

と案内した。

 

   「そぉ・・ でも(肩の)リハビリって、痛いのよねぇ・・」

 

と言いながら、I医師は肘を上下した。 つまり、4週間固定されて固まった関節を広げる時の痛みであろう。

 

   「私も小指を剥離骨折した時、こう曲がったまま固まっちゃって・・」

 

と、自分の右手の小指を曲げてみせた。 スラッとした、美しい指だ。 私は過去、四十肩を患ったことがあるので、きっとあの痛みだろう・・と思った。

 

I医師は、

 

   「でも、まだ・・・」

 

と言いかけ、言葉を飲み込んだ。

 

   「確かに今回の事故は、大変だったわよねぇ・・ でも、まだ肩で良かったと思うの。 もしこれ(骨折部位)がここだったら・・」

 

と自分の左手を左腰に当てた。 その仕草をみていた妻は、

 

   「えぇ、寝たきりになるって、息子が言っていました。」

 

と言い、それに対しI医師は、こう付け加えた。

 

   「○○さんの場合は・・ まだ若いから、(リハビリにより)寝たきりって事はないとは思うけど、もっと大変なのは確かよねぇ。」

 

ま、私も骨折部位が左肩のみだった事を、不幸中の幸いと思っている。 この事故を教訓として大事故を防ぐ事ができたのだから。

 

   ――――――――――――――――――――――――

 

こうして、2012年最初の診察が終了した。 次回は7週間後である。

 

妻と私は、I医師に礼を言い、立ち去ろうとした時に、I医師は椅子を回転させて、私たちの正面を向き直り、

 

   「次回(の診察時に)は、元気な姿を見せて下さいね!」

 

と激励してくれたので、私は大きな声で、

 

   「ハイッ!!!」

 

と答えて、診察室の扉を閉めた。 でも、I医師の激励の真意を理解するには、次回の診察を待たなければならなかった。