転倒事故1−激突、そして転倒
前日、自宅勤務のため、大量の書類を持ち帰った。 そのため事故当日は、肩からカバンを掛け、右手に弁当とノートパソコンの入ったトートバッグを、そして左手にはその書類を入れた大きなレジ袋を提げていた。
荷物がある時は、車を会社の建物入り口まで付けていた。 しかしその日はなぜか、車を駐車場に入れてしまった。 そのため、気を付けて歩いていた。 否、気を付けて歩いていた積もりだけだったのだろう・・
左手に持った荷物が重く、つい、前屈みになってしまう。 すると、荷物に引っ張られる様に前進してしまう。 こんな悪循環に陥り、突進してしまった。
運悪く、そこには金属製の太いポールがあった。 そう、ポールに激突してしまった。 激突する瞬間までは、記憶がある。 次に気付いたのは、ポールの脇に仰向けに寝ている時だった。 つまり、衝突の瞬間、脳震盪を起こしてしまったのだろう。
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ポールの脇に横たわっていると、偶々衝突の瞬間を目撃した社員が、
「救急車! 救急車を呼んで!」
と叫ぶ声が聞こえた。
(ああ、重症なんだ・・ やってしまったなぁ・・)
との思いが、脳裏をよぎった。 そういえば、左腕が痛くて動かない。 腰も痛くて、動けない。 額にも、痛みがある。
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社員が10人ほど、寄ってきてくれた。 寒さ避けに北側にブルーシートの盾を作ってくれ、ホッカイロを2個、持たせてくれた。 着ているジャンバーを脱いで、掛けてくれた。 そして、タオルを額に当ててくれた。 どうやら、額から出血しているらしい。
救急車が来るまでの数分間が、とても長く思えた。