パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

秋の新宿御苑に紅葉を訪ねる(続)

園内のレストランで昼食「御苑カレーのハーブ仕立て」を摂り、持参してあった昼の分の薬を飲んだ。 「ハーブ仕立て」と言っても、型で抜いたライスのテッペンにローズマリーとエディブルフラワーの花びらが乗っているだけである。 ま、580円なら、リーズナブルに思えた。

 

食後、フランス式庭園にあるバラ園を過ぎてプラタナスの並木を見ている頃から、体調が悪くなってきた。 傘が完璧に杖となるものの、歩いていてフラフラするのである。 倒れる様に座り込んだベンチで一旦休むが、回復しない・・

 

友人が私の腕を持って支えてくれたが、肥後菊が展示してある日本庭園まで行く体力も自信もなく、友人の諒解を得て大木戸門から帰路の地下鉄に向かった。 大木戸門を出た所で、再び休憩した。 そして、普通に歩く速さが苦手なのを告げ、

 

   「走る方が、簡単なんです」 (私)

 

と言いながら、門の前の広場を走って一周して見せた。 これには友人も驚いた。 普通に歩く事さえ儘らない私が走れる事が、不思議そうだった。

 

そして帰路の新宿御苑前駅まで遠く感じたが、ここはまだ良かったのである。 この後、辛さは一層増して行った。

 

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往路と同じく帰路も新宿駅で乗り換える旨を友人に伝えたら、新宿駅構内まで付き添ってくれた。 所が、改札の混雑でお互いに見失ってしまい、携帯メールでお別れを告げた。

 

しかし、降車駅に到着した時は、歩行困難となっていた。 電車からホームに降りる時は、掴まる所がないのである。 降車時に、ついバランスを崩してドタドタッと突進した時、周囲の乗客の視線を感じた。

 

ホームのエレベーターを使い、何とか改札を出た。 いくら意識しても、仮想梯子を思い浮かべても、「パーキンソン病っぽい歩き方」しか出来ないのである。 そして駅から駐車場までが、とても長く感じた。 電柱・支線、フェンス、シャッター、ブロック塀・・ ありとあらゆる物に倒れこむ様に掴まった。

 

スーパーの駐車場にやっと自分の車が見えて、安堵できた。 しかし、それでも車までの30mが、異様に遠く思えた。

 

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取りあえず会社には、戻れた。 しかし、今まで生活をしていて、これ程までに症状が強く出た事は、無かった。 今後長時間外出する時は、休憩を含めた計画が必要であろう。 それ程までに、ADLは低下してしまった。

 

次の診察日は、丁度1ヶ月後。 それまで、チャンと暮らして行けるだろうか? 友人と秋の御苑を散策できて楽しかったが、その一方で落胆色の濃い一日でもあった。