妻の手術−2 (肝臓の名医、Y医師)
血液検査は何度も受けているが、「肝臓」と言う事で、きっと一般検査とは項目が異なるのであろう。 そこで、検査結果の出た頃を見計らって、評価を窺いにY医師の再診を受けたのだ。
その結果も、十分に衝撃的であった。
GOT/GPT等の肝臓の状態を示す指標は改善傾向にあり、未だ逸脱はあるものの正常範囲に近かったのである。 つまり、「自然治癒」である。 これには流石の名医も、首を傾げた。
衝撃的だったのは、同時に測定した甲状腺ホルモンの血中濃度だった。
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検査の結果、血中の甲状腺ホルモンの濃度が高い事が判明したのだ。 同時に測定したTSH(甲状腺刺激ホルモン)が検出されない事からも異常が明らかだ。 これらのホルモンは甲状腺ホルモンの血中濃度の維持のため、互いに負帰還(Negative Feedback)の関係を有しているので、教科書通りである。
つまり、甲状腺機能亢進症(バセドウ病?)を罹患していたのであった。
そこで、Y医師は
「甲状腺の超音波でも、撮ってみましょうか?」 (Y医師)
と、妻に撮像を勧めた。 この段階では恐らく、腫脹の有無を知りたかったのであろう。 患者とすれば、
「えぇ・・ お願いします」 (妻)
と言うしかない。 するとY医師は早速、院内検査部の予約を取った。