パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診察 − 写真

お互いが椅子に座ったままI医師は私と向き合い、膝を突き合わせた。 そして背筋を伸ばして、その両手で私の両手を取った。 I医師の暖かくて柔らかい手の感触が、伝わってくる。 

 

でも、これは純粋な診療行為である。 その証拠に、I医師は私の手を振ってみたのである。 他にも、肘を動かしたり、手首を廻したりした。 要するに、他動性の運動である。

 

I医師がその結果をカルテに書き始めたので、私が

 

   「筋固縮は、ありましたでしょうか?」 (私)

 

と尋ねると、I医師は振り向いて

 

   「少し、ね」 (I医師)

 

と、笑顔を向けてくれた。 そう言えば、T医師も右腕に少しある・・と言っていた。

 

この他にも私に両腕を前方に伸ばさせ、眼をつむらせた。 自分としては、安定して伸ばせていたと思う。 指タップや拍手など運動の分離(=協調運動ができない)を調べているので、小脳の機能試験と思われた。

 

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I医師は、思い出した様に

 

「あの写真は、Tに送っておきましたよ」 (I医師)

 

と言ったので、

 

   「先生、あれは笑わせ過ぎですよ〜・・」 (私)

 

と、抗議風に言うと、

 

   「その方が、差がよく分かるでしょ?」 (I医師)

 

と、ニコリとしながら一蹴されてしまった。 蛇足ではあるが、「T」とは前任のT医師の事であり、彼は大学でI医師の一学年後輩である。

 

突然送られた私の不気味な写真に、T医師が食欲を失ったり、悪い夢にうなされたりしていないと良いのだが・・