パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

ミニ旅行(後編) − 屋形船

次はいよいよ、メインイベントの屋形船である。

 

バスから降りて、艀(はしけ)に向かった。 ただでさえ足元が覚束ない上に、傘もさしている。 オットットと水溜りに突っ込み、靴に水が入って靴下も濡れてきた。 気持ち悪い・・ これもパーキンソン病の副作用(?)なのかも。

 

いよいよ乗船の段となって、更に困った。 船の揺れが思ったより激しいのである。 まあ、乗船の入り口には船頭がいて、皆のからだを支えてくれていたが、問題は船内である。

 

船内には既に宴会の準備が整っていた。 空席を探して進むのであるが、会場はだだっ広いだけで、つかまる物がないのである。 しかも会場の両脇には料理のテーブルが並んでいるので、間違っても「オットット」はできない。 姿勢を低くして這う様に進むか、背を伸ばして天井に手を付くしかない。 私は後者を選び、(自由席なので)背がもたれ掛かれる様に窓側の席を選び、妻と並んで着席をした。 

 

これで、一安心だ。

 

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暫くすると、ハウスメーカー社員による乾杯の音頭と共に、宴が開始となった。 酒はある、オツマミも料理も十分ある。 揚げたての天ぷらは、どんどん追加される。 この頃になると船は東京湾を進み、船の揺れも収まってきていた。

 

美味しい日本酒も用意されていたが、さすがに慎んだ。 パーキンソン病+船酔い+酒酔いでは、流石にグロッキーになってしまうだろう。

 

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東京スカイツリーも、霞んでいた。 第一展望台の上は、完全に雲の中である。 いずれは完成し、ライトアップされるだろう。 ただ当日は6月中旬、夏至も近いので、下船の頃まで明るかった。 「屋形船に乗り、美味しい料理で沿岸の夜景を楽しむ」事は、できなかった。 それに、外を見ていると船の揺れを意識してしまい、船酔いになってしまうのは、見えている。

 

「もう、飲めません、食べられません」と言う状態になり、下船となった。 船は同じ艀(はしけ)に到着し、無事に下船できた。 バスに乗り、帰路へ。

 

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日常を離れた、よい一日であった。 パーキンソン病であっても、積極的に外出をするべき・・とT医師から言われていたが、将にその通りである。