パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

日本の名医 − 清家真人

 2011322日の晩、「日本の名医」を紹介するテレビ番組があった。 俗に「神の手を持つ医師」とか「スーパードクター」と言われる医師達である。

 

その中で、高知県にある「いずみの病院」脳神経外科の清家医師が紹介されていた。 パーキンソン病外科治療の専門医の一人である。

 

   http://www.izumino.or.jp/kadoc/nousinkeigeka/nousinkeigeka.html

 

その番組では、脳深部刺激療法によるパーキンソン病の重篤な運動性症状(ジストニアやジスキネジア)の改善例が、手術中の様子も含めて二例紹介されていた。

 

歩行しようにも足が硬直して、平らに床に付けない男性患者。 震顫が酷く、顔を歪ませ、不随意に唇が震えて会話が・・ 否、発音すらできない女性患者。

 

体を自由に動かす事すら儘ならない患者が、清家医師による脳深部刺激療法の手術を受けると・・ あら不思議、手術から4日後にはニコニコと医師と談笑し、ラジオ体操の様に腕を振り、病室内を走ってみせたのである。

 

手術前の患者の病状を見ているだけに、そのインパクトには大きいものがあった。

 

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将に「劇的」とは、この事を言うのだろう。 番組に紹介された治験例は、どんな「魔法」よりも素晴らしいものだった。 いや、これは「現実」である。

 

一体誰がこんな方法を考え付いたのだろう。 どうやって治験例を重ねたのだろう。 今では標準的な術式であっても、方法として確立するまでに、その影には・・

 

実はこの番組を見て、同じパーキンソン病類縁疾患を抱える私は、その治療法の存在や劇的な効果に安堵したのではない。 寧ろ、ショックを受けてしまった。 テレビに出演してくれた患者には失礼だが、その重い症状を抱える姿が、つい明日の我が身と重なってしまうのである。