東北沖の巨大地震と早目の診察
3月11日に東北地方の沖で発生した巨大地震の影響で計画停電が予告されているので、妻の運転で自宅を早目に出発した。 仮に計画停電が実施されると交通信号も消えるので、道路の渋滞や交差点での混乱が懸念されるからである。
診察予約時刻は15:30であったが、血液検査があるので14:30によばれていた。 脳神経内科の窓口で検査のオーダーシートを受け取り、それを見ると「外来緊急検査」の赤い判が押されていた。 つまり、診察予定時刻までの1時間で検査結果が出る仕組みである。
そこで検査センターの採血受付にオーダーシートを出して採血順を待っていると、直ぐに呼ばれた。 採血に当たる臨床検査技師は、若い女性である。 真空採血管に4本も取ったので、採血時間が長く感じた。 途中、
「痛くないですか?」 (技師)
と聞かれた。 流石に3本目くらいから採血している左腕に痛みはあったが、今回の地震で被災した方々の辛苦を慮(おもんばか)って
「大丈夫です」 (私)
と答えた。 実に、意味不明である。
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採血から戻って再び脳神経内科前の待合室の椅子に座って受診の順番を待っていると、担当のT医師が偶然にも診察室から出てきたので、バッタリと目が合った。 軽く会釈をすると、T医師は
「今日は、採血(がある日)ですよね?」 (T医師)
と尋ねた。
「もう、済みました」 (妻)
と答えると、
「こんな(いつ停電するか分からない)時ですから、早目に診察しましょう」 (T医師)
と言ってくれたのである。 それは、診療(検査結果や投薬履歴の画面表示、処方箋や予約票の出力・・)に電気が必須であるばかりか、もし血液検査中に停電すると分析機器が停止し、いつ結果が出るのか分からないので、その評価は次回の診察時にしましょう・・と言う意味でもある。
事実、直ぐに診察室内に呼ばれた。