祈り
私は2010年の4月から、晴れの日は欠かさず早朝ウォーキングを続けている。 冬は平日・休日にかかわらず冬は6時過ぎに起床して出掛けるが、出発時刻によっては日の出と重なる。
先日例によってウォーキングに出掛けると、途中、40代とおぼしき女性が道端に立っていた。 すると彼女は急に体を二つ折りにして、何かを拾った。 私は彼女の脇を通り過ぎたが、こんな所で何を拾ったのかが気になって、何とはなしに振り向いたのだった。
そうしたら、彼女は全く同じ動作をもう一度繰り返したのである。 何かを拾っているなら、屈んだ姿勢のままになっているハズなので、私には不思議に思えた。
私は、思わず振り返ったまま立ち止まってしまった。 すると彼女は、今度は直立したまま大きな振りで、拍手をしたのだ・・ よく見れば彼女の視線の先には、今、将にいずる太陽があったのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――
そう、彼女は日の出に祈っていたのだ。 きっと新しい日の誕生を喜び、意義ある一日になる様に・・と、願ったのに違いない。
これが老女なら、これ程までに印象には残らなかったろう。 あ、下心ではなく、若いのに珍しい・・と言う意味だ。