パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診療010―201906(1)

 

6月中旬の今日はf医師による診察日だ。 午後の方が空いているので、3:30の予約となった。

 

さて、予定時刻の5分前に着くと、駐車場が空いていた。 中へ入ると、10人程の患者がいたが、その内の一部は、既に3:00からの診察を終えた人らしく、受付に呼ばれていた。 そのため、5~6番目に呼ばれた。

 

ノックして診察室に入ると、f医師と目が合ったので、軽く会釈をすると、f医師は、

 

   「どうでしたか?」

 

と私の様子を訊いてきた。 私は、予め用意してあった返事をした。

 

   「えぇ、何とか過ごせました」

 

と答えながら、いつものメモを渡した。 そこには次の様に書いておいた。

 

   ――――――――――――――

 

  • 前回受診日(2019年〇月〇日)以降の体調について 

 

  • ドプス600mg+シンメトレル300mg、アムロジピン5mg、ノウリアスト40mg(いずれも1日量)は、ほぼ毎日服用した。
  • 大きな怪我に繋がる様な転倒は、無かった。
  • ADL/QOLは最悪時から、少し回復した。 しかし、相変わらず
  • すくみ足とフリーズ:最初の一歩が出ず、フリーズしてしまう。
  • その他の症状
    • 相変わらず、足がむくんでいる。
    • 右肘の瘤に関しては、〇月〇日、M整形リウマチクリニック(隣接市)で、漢方薬の「防已黄耆湯」(ボウイオウギトウ)(7.5g 分3 毎食前)が2週間分、処方された。
    • 〇月〇日、再診を受け、処方が更に2週間分。

「瘤は縮小してきている」・・M医師。 自覚的にも、同様。

  • 切迫尿意・夜中の頻尿(4~5回→1~2回に)が、改善した。(防已黄耆湯の副作用?)

 

これを、見たf医師は、

 

   「ノウリアストは効いていますか?」

 

と質問した。 私が

 

   「ハイ、効いています」

 

と答えると、

 

   「どうして、あんなモノが進行性核上性麻痺に効くんだろう・・」

 

と少しトーンを落として呟く様に、言った。 私がすかさず

 

   「GABA(γ-aminobutylic acid)(に効くん)じゃあ、ないですか?」

 

と言うと、

 

   「テオフィリン系に作用して・・」

 

と教科書通りの答えを言い始めた。 まさか、ノウリアストがGABAを抑制する作用がある事を、知らないハズは無いだろう・・

 

 

リハビリ487―同側歩行に!

さて、6月上旬には、もう一度リハビリがあった。 いつもの手順で、待っていると作業療法士のM士がやってきて、作業療法を始めた。 今回は、枠に名前・フリガナ、住所を書くのみだった。 続いて、理学療法だ。

 

今日も担当は、H嬢である。 これで、連続、3回目である。 では、本来のM嬢は、出張か何かで不在か・・と言うと、そうでもない。 と言うのは、例のウォーキングポールで、H嬢とリハビリテーション室内を歩いていると、他の患者を施術中のM嬢が、顔を上げて、合図をした。 それに対して、私は軽く会釈をした。

 

そのウォーキングポールであるが、歩いていて、どうしても「同側歩行」になってしまう事である。 (「同側歩行」とは、右手と右足・左手と左足が同時に出てしまう歩行である。)

 

まぁ、H嬢は余り気にしない様だが、矢張りおかしい。                            

 

   ―――――――――――――

 

歩行・・と言えば、小学校時代にこんな思い出がある。 それは、確か小学生の中~高学年の頃であった。 クラス全員が来たる運動会での行進の練習をしていた。 当然、私は前の子の手の振りに合わせて、行進していた。 すると、その様子を離れて見ていた教師が私の所にやって来て、私の脚が他の児童の動きと違う・・と言うのだ。 そこで、私は、教師の言う通りスキップして脚の動きを他の児童と合わせた。 で・・、結果に満足して隊列から戻ろうとした教師が見たものとは?

 

今度は私の手の振り方が、他の児童と異なる・・と言う、摩訶不思議な現象である。 まぁ、脚が逆ならスキップをさせて直せるが、手の動きが逆の場合はどうしたら良いのだろう???

 

どうしても逆になってしまう手の振りを直そうと、教師は私の手を持って他の児童と同じ様に振らせるが、教師が手を離すと元に戻ってしまう。 教師は、私の手脚の異常動作(?)の原因も対処法も分からず、すごすごと隊列から離れ、元の席に戻って行った。

 

   ――――――――――――――

 

原因は、もうお分かりだろう・・ 私だけ「同側歩行」をしていたのであった。 私は教師が離れた直後に、その事に気付いて修正したのであった。 

 

まぁ、思い出す度に頬が緩んでしまうのである。

 

   ――――――――――――――

 

話しが逸れてしまったが、一周して、元の台に腰掛けたら、H嬢が私の隣に座って訊いた。

 

   「どうでしたか?」

 

私は、次の様に答えた。

 

   「何か、どうも右足・右手、左手・左足が一緒に出ちゃうんです・・」

 

すると、彼女は左脚を上げてトンと脚を下ろし、それと同時に右手を振り下ろし、

 

   「1」

 

と言った。 そして、今度は反対の手脚で同じ事をやって、

 

   「2」

 

と言った。 こうして、彼女は「1・2、1・2、1・2 ・・」と言う掛け声と共に、自分独りでの練習法を教えてくれた。 

 

さて、そろそろ終了時刻が近づき、上がる準備をしていると、M嬢がやって来て、

 

   「右足・右手、左手・左足が揃って出てるわよ!」

 

と教えてくれた。 余程気になっていると見える・・

 

 

要介護認定のための「訪問日」

さて、6月上旬の今日は、介護認定のための、市役所の介護保険課・介護審査担当であるAさんの訪問日である。 午前10時に来ると言う。 そこで、朝から部屋の掃除と片付けを行った。

 

片付けていると、ほぼ10時に軽自動車でやって来た。 玄関の呼び鈴を鳴らし、妻が出ると、当のAさんだった。 リビングに案内し、挨拶をすると、40位の女性だった。

 

私は、以前からの疑問・「医療保険から介護保険への切替時の請求」について、彼女に訊いてみた。 すると、彼女は、

 

   「分かんないわ・・ 制度がコロコロ変わるから」

 

と言った。 まぁ、保険請求は担当が違うとは言え、どうしたら(=誰に訊いたら)良いのかまでは、提示しなかった。

 

さて、いよいよ、審査である。 彼女は、

 

   「これから、質問をしますが、最初のN問はご本人に、次のM問は奥様に質問します」

 

と言って、日常(生活)の様子に質問を始めた。 しかし、私への質問であっても、妻が答える場面もあり、Aさんの調査の目的(「本人が自分の状態に対して、どれ位の認識を持っているか」)には、沿わないケースもあった。

 

途中、彼女はバッグから、メモ帳、ポケットティッシュ、鍵をテーブルの上に出して、

 

   「これらの品物について、後から質問しますので、良く覚えていて下さい」

 

と言った。 私は、3つ共質問されるのか・・と思い、必死に憶えた。 そうしたら、数問後に、モ帳とポケットティッシュを出して、

 

   「さて、残りの一つは何だったでしょうか?」

 

と訊いた。 私は、

 

   「鍵です」

 

と即答した。

 

こうして、質問は全項目が無事に終了し、続いて日常動作の調査に入った。 彼女は私に、椅子に腰掛ける様に言った。 私は妻に介助をお願いして立ち上がり、椅子に移動した。

 

すると、彼女は

 

「脚を水平まで上げてみて下さい」

 

と言った。 私が脚を水平(の積もりの高さ)まで上げると、彼女は私の膝下、向こう脛の中央付近に、今の高さより5cm位高い位置に手をかざして、

 

   「この高さまで(脚を)上げられますか?」

 

と訊いた。 まぁ、その高さが彼女に取っての『水平』なのだろう。 ま、そう言われれば、私の脚は水平より下がっている。 私は目一杯脚を上げようとしたが、彼女の手の高さに届かなかった。

 

すると、彼女は、今度は左右の脚を入れ替えて、同じ様に、脚を水平の(と思われる)高さまで脚を上げさせ、手をかざして、

 

   「こちらの高さまで、脚を上げて見てください?」

 

と言った。 勿論、私は、必死に力を入れたが、届かなかった。

 

後は、歩行の様子であるが、その時は、体調も良く、杖を床に突けずに歩けた。

 

   ――――――――――――――――

 

Aさん曰く、

 

   「今日の結果を持ち帰って、コンピューターに掛け、一次判定を行い、その後、二次判定(認定審査)が行われ、介護の等級(要介護度)が決定しますが、それまでに1ヶ月程掛かります。 もし、その間に、状況が変わったり、急いで等級を決めて欲しい時は、地域包括支援センターに申し出て下さい。 仮の等級が出ますから」

 

と。 なるほど、上手く出来ているんだぁ・・

 

通所リハビリの見学(2)と気功55

 

さて、6月上旬の今日は、午前中は通所リハビリの見学、午後から気功の予約日だ。

 

先ずは通所リハビリの見学である。 場所は隣接する市の「Iの家」である。 自宅から車で10分位の所だ。 10時から(11時半の間に)予約を入れてある。 早速、10時前に出掛けた。 

 

Iの家に着いて、受付に見学に来た旨を申し出た。 すると、結構待ってから、中年の女性が

 

   「遅くなって申し訳ありません。 予め、ご連絡を頂いておりましたのに・・」

 

と言いながら、事務室から出て来た。 彼女は名刺を出して、自己紹介をした。 名をYと言い、社会福祉士の資格を持った支援相談員・・・とある。 (以下、「Yさん」と呼ぶ)

 

   ――――――――――――

 

さて、折角なので、車椅子を借用して、デイケア(通所リハビリ)をやっている2階へと案内をして貰った。 何でも9:30からなので、丁度、午前中の行事が始まった所らしい。

 

2階は、大きな部屋2つに分かれていて(と言っても間に仕切りがあるだけで、通路側はオープンになっている)、夫々に若いお兄ちゃんがピンマイクで夫々30~40人の車椅子の人達に喋っていた。

 

我々は、車椅子の聴衆の後ろを通り、奥の方に進んだ。 すると、通所の人らしき利用者が数人いた。 その内1人は理学療法士からの施術を受けていた。 残りの3人程は、順番待ちだろうか、暇そうにしていた。 もう1人は、エルゴメータ(エアロバイク)を廻していた。

 

訊けば、理学療法士作業療法士とを併せて4人が常勤しているらしい。 その点、先日のH整形外科よりシッカリしている。 案内のYさん、曰く

 

「最初は、(理学療法を)40分受けて、その後20分にして、(体調を見ながら)0分にして行ったら、イイんじゃないかなぁ」

 

とアイデアを述べた。

 

しかし、課題が無い訳でもない。 それは、時間である。 と言うのは、9:30~4:00のみの1種類しかないのである。 では、リハビリ以外の時間は、何をして過ごすのだろうか? 

 

「きっと、習字や折り紙だろう・・と思うわよ」

 

と、妻が言う。 まぁ、確かに壁には習字の作品として、「令和」の文字が掲示してある。 ざっと、70枚位はあるだろうか・・ 中々の技量である。 では、折り紙は? 義母がそんな作品を、介護施設から時々持って帰って来るからだ。 そして、こう言ったのである。

 

   「お父さんには、そんなのきっと耐えられないわよぉ・・」

 

うん、確かに、冗長である。

 

   ―――――――――――――

 

午後から、気功の施術を受けに出掛けた。 まぁ、施術そのものに変わりは無いが、扉を開けた時、犬の鳴き声がしない。 訊けば、死んでしまったとか? まぁ、17年生きれば、犬としては長寿である。

 

気功師曰く、

 

   「あれ程、毎朝の私(=飼い主)との散歩を楽しみにしていたのに、ある時、億劫そうにしていたのよ。 それが段々と散歩に『行かない』と嫌がる様になって来たの・・ だから私はワンちゃんを抱っこして道まで連れていったのよぉー。 でも、いまにして思えば、あれは、『行けない』だったのね! その頃から、食欲も落ちて、遂に・・ (死んじゃったのよ)」

 

と。 更に、こう付け足した。

 

   「だから、この所、散歩は独りで行ってるわよ、毎朝4時半に起きてぇ・・」

 

これに対して妻が、

 

   「センセ? 朝の4時半・・と言うのは、いくら何でも早過ぎません???」

 

とチャチャを入れると、彼女は、

 

   「でもね? この頃は(夏至も近いので、)朝の4時10分位から明るいわよ!」

 

と反論した。

 

 

遅くなり、申し訳ございません。(><)

 

さて、質問は、「フライドチキンと鶏の唐揚げの違いって分かります?」

 

でした。(happy-ok3さんの日記、https://happy-ok3.com/2019/06/26/%e8%a2%ab%e7%81%bd%e5%9c%b0%e3%81%ae%e5%a0%b1%e5%91%8a%ef%bd%9e6%e6%9c%8823%e6%97%a5%e3%81%ae%e5%b0%8a%e3%81%84%e6%b4%bb%e5%8b%95/ の私のコメントをご参照ください。)

 

え? 「どちらも鶏肉に衣を付けて、油で揚げたもの。 まぁ、強いて言えば英語と日本語の差はあるが、中身に本質的な違いは無い」ですって???

 

いえいえ、決定的な違いがあるのです!

 

それは、「衣に味を付けたのがフライドチキンで、肉に味を付けたのが唐揚げ」だそうです!!!

 

そう言えば、フライドチキンの衣を剥がして、肉だけ食べると、肉の味しかしませんよね!?!

 

リハビリ486―研修生S嬢

 

さて作業療法の後は理学療法である。 台に仰向けに寝て待っていると、H嬢が

 

   「今日は、学生さんと一緒にお願いします」

 

と言い、もう一人の女性の方を向いた。 すると、その女性が私を見て、軽く会釈をした。 名札を見ると、Sと書いてあった。

 

こうして、本日の作業療法が始まった。 先ずは、下半身のマッサージとストレッチである。 H嬢は、S嬢の見る中、淡々とこなしていった。 そして、例のキザキのウォーキングポールを持って来て、左右を確認して、私に渡した。 今回は2回目なので、少し余裕びりた。 そこで、改めてポールを見ると、先端のゴムが球状になっている。 これは、f医師の言う「安定歩行ポール」ではない。 まぁ、スポーツ用か何かの他のモデルだろう。

 

   

 

矢張り、H嬢と言い、S嬢と言い、体格が良い。 先日と本日のM士の時の研修生・Y嬢とは、明らかな違いだ。 その様な意味では、矢張り、Y嬢は作業療法士向きである。

 

さて、今回の、杖を使った訓練は、前回よりも長めだった。 私が右手・左足を出す時「1」、左手・右足を出す時に「2」と声を掛けでくれ、私の後ろから私に上半身を持って、リハビリテーション質にを歩いた。 ターン(=方向転換)の時は、

 

   「ハイ、左に大きく廻ってぇ・・」

 

と指示を出していてくれた。 まぁ、4本足の杖よりもはるかに歩き易い。 ましてや1本足の「T字杖」である。

 

そして最後に、

 

   「このまま、奥さんの所まで行ってみましょう」

 

と言って、理学療法を終わりにした。

 

尚、私がリハビリテーション室に持ち込んだ4本足の杖は。H嬢がS嬢(研修生)に持って来る様、指示していた。

 

   ――――――――――――――

 

以上の訓練から、私は「キザキの安定歩行ポール」が欲しくなった。 どうせ、市から補助が出ないのであれば、インターネット通販で買えばよい。 しかし、もう数日待てば、ケアマネージャーに相談できる。 どうしようか・・と迷っていると、夕方、庭に宅急便の車が入ってきて、運転手が、

 

   「ピンポ~ン」

 

と玄関の呼び鈴をならした。 思わず妻と顔を見合わせたが、二人共心当たりが無い。 しかし、確かに私宛てなので、受け取ると、長女からだった。 何かビニール袋に入った、長いものだった。 品名を見ると、「キザキ ウォーキングポール」とあった! そう、私が欲しかったキザキの歩行用のポール(APAI-205A)である!!! なぜ、長女がこの商品を知ったかと言うと、直前の週末に帰省した時に、母親が長女に検索・調査を依頼したからである。

 

早速lineで、私からの謝意を送信したら、「おー! 良かった」、「一杯、歩いてね!」だってさ!!! きっと少し早い「父の日」のプレセントなのかも知れない・・ であれば、私も長女の事を、

 

   「(オオ、チャンと良い娘(こ)に育ったではないか!?!)」

 

と、自慢したりしてぇ・・ 親バカ丸出しである。(><)

 

リハビリ485―研修生のY嬢、再び  

さて今日は、5月最終のリハビリのある日だ。 そこで、いつも通りの手順で、M士とリハビリテーション室へと入って行った。 すると、M士が、

 

   「じゃあ、奥のテーブルの所まで、行きましょう」

 

と言うのかな? ・・と思ったら、

 

   「あちらの空いている台をつかいましょう」

 

と言った。 その理由は、Y嬢(研修生)であった。 再登場である。

 

http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2019/06/08/082848

 

まぁ、一度、紹介も受けているので、敢えて挨拶は無かった。 唯、目が合った時に、軽く会釈をした。 こうして、M士による作業療法が始まった。

 

   ――――――――――――――

 

M士は、私に両手を真上に上げる様指示した。 私が両手を上げると、M士は私の正面に廻り、Y嬢に

 

   「どうかなぁ? 左右の手の具合は?」

 

と質問した。 彼女は、

 

   「左(右?)が外旋していて、右(左?)が内旋している?」

 

と答えると、M士は、自分で確認する様に、

 

   「ええとぉ・・ 逆じゃない?」

 

と言って、自分の身体の位置を変えながら

 

   「左が外旋していて、右が内旋しているんでイイみたいね?」

 

と言った。

 

そして、書字の練習に入った。 彼は、膝の上にボードを置き、マスを書いた。 そのマス内に名前とその読みを書いて行くのである。 最初は、彼がボードを叩いてから、次の一画を書くという、例の方法である。

 

続いて、自分でボードを叩いて見よ・・と言った。 そして、私がタップ前に書き進めてしまうと、その文字を(消しゴムで)消す・・と言う。 まぁ、その脅かし(?)のお陰で、チャンと書けた。

 

最後に、タップ無しで書いてみよ・・と言った。 私は、

 

   「(もしかしたら、タップの効果を検証するために下手な見本が欲しいのかな?)」

 

と思い、昔の書き方で書いた。 すると、M士は、我が意を得たり・・とばかりに、

 

   「ほら、タップが無いと文字が小さくなって行くでしょ!?!」

 

   「それに最後の文字が読めないでしょ!!!」

 

とY嬢に説明した。 そして、こんな事も言った。

 

   「パーキン(ソン病)と言うのは、中脳の黒質と言う部位からのドパミンが少なくなってしまう病気です。 黒質って分かる? こう言う字を書くんだけど・・」

 

と。 こう言いながら、彼は、バインダー上の紙に「黒」・「質」と書いて行った。 更に、

 

   「パーキンでは、書いて行く内に字が小さくなって行くんだ。 他にもギランバレー(症候群)とかALS(=筋萎縮性側索硬化症)でも文字が小さくなって行ってしまうけど、小脳障害の場合には反対に大きくなって行くんだけどね・・」

 

とも。 M士は、本当に博識である。 しかし、話しの様子からどうも私の事を、パーキンソン病だと思っている様だ。 それでも若い研修生の前で訂正するのも憚られた。