パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

泌尿器科

 

翌日、午前中の受付に間に合う様、妻の運転で総合病院に出掛けた。 しかし、午前中は駐車場が一杯なので、駐車に時間が掛かる事が懸念された事から、私が車椅子で手続きをする事にした。

 

そこで総合病院の総合受付に行き、番号札を取り、呼ばれたので昨晩看護師から渡されたメモに診察券と健康保険証を添えて出すと、受診申込書(?)を書く様、クリップ付きボード上のB5位の紙とボールペンを渡された。 自分としては一生懸命に書いた積もりでも、第三者には読めない字しか書けなかった。 それでも、チャンと手続きをしてくれ、青いフォルダーを渡された。

 

   「泌尿器科の場所は、分かりますか?」

 

と受付嬢が訊いてくれたが、私は知っていたので

 

   「あっちですよね?」

 

と言いながら、腕を伸ばして指差した。 こうして、総合受付での手続きを無事に終え、車椅子で移動を始めた。 すると、3分の1程進んだ所で妻が合流して、車椅子を押してくれた。

 

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さて、フォルダーを泌尿器科の受付に出すと、事務服姿の女性が、

 

   「採尿が必要かどうか、センセの指示がありますので、掛けてお待ちください」

 

と言う。 暫く待つと、昨晩検査をしたばかりなので不要だと伝えられた。 もう、我慢する必要はない。 そこで受付嬢に断って、身障者用トイレに寄り、膀胱を空にした。 尚、体温は36.5℃だった。

 

   ―――――――――――――――――――

 

予約患者の診察が終わった12時半過ぎに予約外患者の順番が来て、診察室に入った。 検査結果を見て、O医師は

 

   「どうですか、昨日1回、飲んで?」

 

と訊いた。 私が切迫尿意が消失した旨を伝えると、

 

「じゃあ、薬を一週間分出しておきますので、全部飲み切って下さい。 次は〇〇日に来られますか?」

 

と言い、次回を一週間後の同曜日に予約を取り、診察を終えた。

 

膀胱炎(続)

 

妻は電話の指示に従って、病院の正面玄関に車を着けて、外来用の車椅子を借用して来た。 そして、入り口で警備のオジサンから、夜間入館証を受けた。 院内ではそれを、常に見える場所に下げる様、言われた。

 

さて、左に進む様案内を受けて進むと、一段と明るいカウンターがあり、男性職員が2名いた。 妻が来院の趣旨を述べると、体温と血圧を測って奥の待合室で待て・・と言う。 血圧は正常範囲内であったが、体温が38℃と微熱だ。 そう言われれば、顔が火照っている感じもした。

 

救急科の待合室には、既に5~6組の患者がいた。 暫く待つと名前が呼ばれたので、車椅子ごと診察室入ると、頭髪が殆んど白髪の初老の医師が待っていた。 そして妻が症状を話すと、いつ頃からか・・と質問を受けた。

 

すると、医師は、尿検査をしましょう・・と言い、最初の診察を終えた。 待合室にいると、看護師が名前を書いた紙コップ(蓋付き)を渡したので、身障者用トイレで紙コップに排尿した。 量は50ml位しか無いのに、濁ってコップの底の濃紺の二重丸が、霞んでいた。 私は直ぐに蓋をして、待合室に戻り、妻に渡した。 妻が看護師の指示通り、壁のインターフォンを押すと、扉の内側から男性が出て来て、名前を確認の上、検体(尿)を受け取った。 その扉には、「緊急検査室」と書いてあった。

 

   ―――――――――――――――――――

 

さて、30分程待ったろうか、再び診察室に呼ばれた。 医師は検査結果をモニターで見て、

 

   「白血球も細菌も出てますよ、それに赤血球も・・」

 

と言い、薬を処方するので、直ぐ飲む様指示した。 要するに、膀胱内に細菌が入った事による膀胱炎である。 更に、医師は続けた。

 

   「今日は、夜間診療なので、薬は1日分だけしか出せないんですよ。 明日、泌尿器科を受診して下さい」

 

と。 すると看護師がメモを渡してくれた。 そこには、

 

   「患者名 〇〇〇〇様 〇〇日、救急科を受診しました。 本日、泌尿器科を受診・・」

 

と言う旨が書いてあった。 つまり、明日受付にこのメモと健康保険証を出せば、分かる様になっている・・と言うのだ。

 

そこで我々は医師に礼を言い、診察室を出て受付に戻り会計をしようとしたら、係員が

 

   「黄色い手帳(=『指定難病医療費 自己負担上限額 月額管理票』)はお持ちでしょうか?」

 

と訊いて来た。 不思議に思いながらも、提出すると・・ 今夜の分を記入してくれた! そう言えば、医師が車椅子の私に向かって

 

   「どこか、神経で動かないんですか?」

 

と訊いたのだった。 勿論、

 

   「脚が・・ 歩行障害で、すくんじゃうんです」

 

と(妻が)答えたが、私は

 

   「(なぜ、そんな事を訊くんだろう? 今回の症状とは無関係なのに・・)」

 

と思ったがそれは、月額管理票に書くためだったのである。

 

何と、優しい医師なんだろう・・と、感動してしまった。 と言うのは、月額管理票に書き込まれると、通常の3割負担が2割で済むからである。 まぁ、私の場合は1割負担なので、直接は、関係ないが・・ それに、毎月の支払い上限額が決まっているので、個人負担が軽くなる・・と言う効果もある。

 

こうして、近くの薬局で処方薬を受け取り、帰宅して長い夜が終わった。 尚、途中、車内で服薬したのは、申すまでも無い。

 

膀胱炎

さて8月には、もう一つ事件があった。 それは膀胱炎である。

 

下旬の某日、やけに尿が近い。 それなのに、体調不良でトイレに急げない・・ そんなこんなで間に合わず、パンツを濡らす事、しばしば。 遂に、妻が「紙パンツ」を買って来た。 因みに、「紙オムツ」では無い。 え? どこが違うのか・・ですって??? それは、ねっ! 前者は、「一人で歩ける方に」、「介助があれば歩ける方に」と言う事らしい。

 

使用感ですか? 快適です。 尿2回分(150ml×2)と言う事らしいが、1回しても表面は湿った感じがしないのである。 ただ流石に、出る時は気持ち悪い。 と言うのは、男性の場合は、表面積が大きいので・・

 

では、困った事は? それは・・ 頻尿(切迫尿意)と排尿痛である。 前者は出たくなったら、もう間に合わないのである。 例えば30分おきに、少しずつ出たくなるのである。 後者はその排尿時の会陰部の痛みである。 これが「ギューン」となって、不快感となるのだ。 白いオシッコなら、出す時、気持ちイイのに・・ (><)

 

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さて、紙パンツで快適な排尿ライフ(?)となったが、夕方7時頃、血尿となってしまった。 もうこれは、医師の診察を受けなければならない。 しかし、7時を過ぎるとどの医院も診療を終えている。

 

仕方なく、消防署に電話して照会した。 (119番では無い。) すると、

 

   「この時間だと紹介出来るのは、病院だけになってしまいますねぇ」

 

と言って、近くのK病院や近隣都市の中核病院を案内してくれた。 この内、道を知っているのは、K病院のみである。 そこで早速、妻がK病院に架電した。 すると・・

 

   「今、先生が(他の回線で)お話し中なので、もう少ししてから架け直して下さい」

 

と言う女性(看護師?)の声。 どうも、担当医と直接話す仕組みの様だ。 仕方が無いので、5分程して架け直したら、今度は繋がった。 しかし、当直は整形外科医のみらしく、しかも初診である旨を告げると、掛かり付け病院の方がイイ・・と言う。 まぁ、この所、K病院は評判が芳しくない。 内科で入院している患者もいるだろうに、何かあったらどうするのだろう・・と、こちらが心配してしまう。

 

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そこで、いつもの総合病院に妻が架電すると、受付の男性が私の様子を聞いて、

 

   「直ぐに、来て下さい」

 

と言う。 そこで入り口を聞いて、直ぐに出掛けた。 (病院には、夜間出入口もある。) 健康保険証、診察券、お薬手帳等、一式持って・・

 

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通い慣れた道ではあるが、夜の街は昼の顔とは別の様だ。 昼間の7割位の時間で到着した。

 

転倒事故(終)とリハビリ388―最悪の状態で

 

こうして、漸く家に着いた。 さて、上唇を怪我して、日常生活で困る事は? 例えば、液体を飲む時。 どうしても、ガーゼに付いてしまう。 まぁ、お茶等はストローを用いれば良いのであるが、味噌汁を口にしたり歯磨き時に漱いだりする時は、困ってしまう。 後は、唇が腫れているので上手く食べられない。 ま、口中を切らなかったので、口内炎にならなかったのが幸いであった。

 

食事時のガーゼの汚れは、食後に交換する事で解決した。 それでも丸2日は、滲出液でガーゼがびしょびしょとなった。 3日目位からガーゼの汚れが部分的になり、4日目位からは、バンドエイドでも可能な位まで乾燥してきた。

 

そこで5日目からは、何も覆わず、ゲンタシン軟膏のみとした。 すると、傷口は乾いて、大きなカサブタとなった。 やがてこのカサブタが自然に取れれば、治癒となるのだろう。

 

勿論、それまで誰にも会いたくはないのだが、8月中旬にリハビリの予定が入っている。 まぁ、失敗(転倒)は失敗なので、カサブタ位で休む訳には行かない。 そこで、カサブタをバンドエイドで隠して、臨んだ。 但し、唇周辺にゲンタシン軟膏が付着し、ヒゲも伸びているので、直ぐに取れそうであったが、何とか持った。

 

さて、M医師による予診時に、転倒日を訊かれたのみであった。 しかし、I士はその責任上、転倒の様子をより詳細に訊いて来た。 勿論、正直に答えた。 すると、I士は最後に次の質問をした。

 

   「他に怪我した所は(無かったんですか)?」

 

ま、長袖・長ズボンに手袋を付けていたので、擦過傷は免れている。 

 

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早速、I士による施術が始まった。 心なしか、いつものストレッチや筋トレよりは、マイルドな気がした。 そして、上半身に移った時に、彼はそれまでとは異なった方法で行った。 それは、私の手を握手する様に持ったのである。

 

勿論それは、転倒した際に手や腕に怪我が無かった事を確認しているのであろうが、その結果、何かあった時、

 

   「ホラ、他にも怪我があったじゃないか!」

 

と指摘するためでは無く、本人も気付かない傷や捻挫などの有無を調べているのだろう。

 

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そして、最後に歩容を見て、終了した。 勿論、良い訳が無いが、彼は決して批判的な言葉は口にせず、

 

   「ゆっくりぃー、ゆっくりぃー、焦らず、ゆっくりぃー ・・」

 

と、後ろから付いて来てくれた。

 

転倒事故(続)

 

早速、当番医を見ると、以前、母のお供で行った事のある医院だ。 そこで診療時間を見て、妻の運転で出掛けた。

 

着くと、診療開始約1時間前だと言うのに、数組の患者がいる。 妻が受付に行き、健康保険証を提示し診察の申し込みをした。 すると、受付から戻った妻が

 

   「ねぇ、保険証を見るだけで、何か病気を持っているって、分かるの?」

 

と不思議そうに訊いた。 私が、

 

   「そうだよ、75歳未満なのに、1割負担だから、ね!」

 

と言ったら、納得した様だった。

 

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診療開始時刻の10分程前になったら、看護師に呼ばれ、処置室に入った。 広い部屋ではあるが、ベッド3台とキャスター付きワゴンが幾つかあるので、私の最も苦手な隘路となっている。 脚がすくんで歩けないのを見た看護師2人に抱えてもらって、なんとか、窓側の、ベッドに仰向けになった。

 

待っていると、診療開始時刻に手術着を着た恰幅の良い医師が現れた。 医師は転倒状況について聞き、事件性は無い・・と思ったのか、早速傷口を診た。

 

   「口の中は切ってないですか?」

 

と訊いた。 私が大丈夫だった旨を答えると、医師は上唇をピンセッの様な器具でめくり上げて確認した。

 

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さて、医師は看護師に、

 

    「消毒液・・ あれぇ、葉っぱが入ってるなぁ・・ ハサミ・・ 消毒液・・ ゲンタ・・ ガーゼ・・」

 

とテキパキ指示して、傷を処置して行った。 こうして、最後に看護師がガーゼをテープで止め、終了した。

 

さて空気の抜けた車椅子を借りて会計を待った。 すると、ゲンタシン軟膏0.1×10gのみ処方され、数百円だった。

 

妻曰く、

 

   「ガーゼや消毒液って、病院じゃ出せないんだって。 薬局で自分買えってさー・・」

 

と、チョッピリ不満そうだった。 

 

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帰路、休日当番薬局で、①滅菌ガーゼ、②消毒液、③紙テープを購入して家路に就いた。 さて、本日の費用の内、①滅菌ガーゼが一番高価だった。 これも1割負担の効果である。

 

転倒事故

 

2017年8月下旬、処方変更から4日目の午後、妻のアパートの植栽を刈りに行った。 充電式のヘッジトリマーで、天面と側面を刈って行くのであるが、高さが50cm位しかないので、屈んで刈る事になる。 

 

早速始めたが、屈んだ姿勢で中腰なので、結構、辛い・・ で、そのままの格好で移動しようとしたら、前傾姿勢のままバランスを失ってしまった。 

 

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迫り来る地面を見て思ったことは、唯一つ。

 

   「(ヘッジトリマーによる傷だけは、避けなければならない)」

 

である。 そのため、先ずはヘッジトリマーをアスファルト上に置いた。 続いて、上半身を伸ばして、顔がヘッジトリマーの上に来ないようにした。 もう、時間が無い、右手で顔を覆わねば・・ とは思ったが、間に合わなかった。 その結果、「顔面制動」となってしまった。

 

尚、以下のURLには、次の記述がある。

 

   http://www.nanbyou.or.jp/entry/4115

 

「バランスを失った時に上肢で防御するという反応が起きないため、顔面直撃による外傷を負うことが多い。」

 

私の場合は、将にこれであろう・・

 

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体勢を立て直し、起き上がろうとしたら、ヘッジトリマーの刃やアスファルトの上に液体が垂れた。 見ると、鮮血である。

 

   「(しまったー! やってしまった・・)」

 

と思う頃、鼻の下に痛みを感じ始めた。 どうやら、顔面がアスファルトに衝突する時、反射的に顔を上げた様だ。 取り敢えず、圧迫止血をしなければならない。 そこで、車まで戻り、ティッシュペーパーで抑えた。 やがて、出血は止まったが、さてこの後、どうしよう・・ と考えあぐねていると、妻が気付いて、ビックリしていた。

 

   「先ずは、家に帰りましょう!」

 

と妻が言い、急いで園芸道具を車に積み込み、出発した。

 

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さて、家に着いたが、ハテどうしよう・・ とは思ったが、まぁ、いずれにしても医者に掛からなければならない。 と思って、どこにかかろう・・と思い、冷静になると・・

 

   「今日って、(病院の)休日じゃない?」

 

と言う事に気付いた。 と言うのも、アパートの駐車場には店子の車が皆無で、平日を思わせたからである。 さぁ、大変! 休日診療の外科の当番医を探さなければならない。 それには、市の広報誌を見なければ・・・ と思って、広報誌を見ても、どこに載っているのか分からない・・ 電話で訊こうにも、訊くべき先も分からない・・

 

と思って、挟み込んであるカレンダーを見ると・・ 何と。休日当番医が、小さな文字で載っている! これで何とかなりそうだ!!!

 

診察201708―4

 

では、中止する薬剤にいては? F医師は、こんなコメントを残した。

 

  • シンメトレルは急に止めると問題があるので、徐々に止めて行きましょう。
  • ノウリアストは急に止めても大丈夫でしょう。

 

前者を聞いた時、私は「悪性症候群」と言う言葉が脳裏をかすめたが、言わなかった。 また後者については、私は(脳神経内科医は処方に関しては保守的だ・・と)誤解していた。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2017/07/26/090322

 

更にF医師は、私に血圧のコントロール状況を訊いた。 私は、

 

「起床時は境界域より低め、就寝時は正常です」

 

と言う旨を答えた。

 

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以上の事を勘案して、処方は次の様になった。 (処方量は1日当たり、いずれも食後)

 

薬剤

1~7日

8日~

シンメトレル50mg

朝 ・ 夕 2 錠

0 錠

マドパー配合錠」100mg

朝・昼・夕 3 錠

朝・昼・夕 3 錠

ドプスOD錠100mg

朝・昼・夕 6 錠

朝・昼・夕 6 錠

レリーフOD錠25mg

    夕 1 錠

    夕 1 錠

アリセプトD錠3mg

朝     1 錠

0 錠

アリセプトD錠5mg

0 錠

朝     1 錠

アムロジピン5mg

朝     1 錠

朝     1 錠

 

さて、このF医師の処方をFacebookの処方と比較すると、次の2点が異なっていた。

 

  • アリセプトを漸増し、制吐剤の使用を控えた。
  • レリーフを朝でなく、夕食後に服用する様、指示した。

 

この内、後者には次の様な理由があるものと思われた。 それは、トレリーフの薬物動態に関するものである。

 

 

と言う様にADME(投与後の吸収と代謝)の遅い薬剤なのだからである。 これはこれで、評価に値する。